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井手口陽介、森保ジャパン初招集。生き残りへ「絶対見返してやる気持ちでやってきた」

text by 編集部 photo by Getty Images

井手口陽介
井手口陽介【写真:Getty Images】

 日本代表は16日、パナソニックスタジアム吹田で19日に行われるベネズエラ代表との国際親善試合に向けて練習を行った。

 14日に2022年カタールワールドカップアジア2次予選のキルギス戦を終えた選手たちが帰国し、ベネズエラ戦のみ招集の国内組もチームに合流。キルギス戦出場メンバーのうちDF植田直通、MF柴崎岳、MF原口元気、FW永井謙佑が室内調整、柏レイソルの一員としてJ2リーグ戦に出場したGK中村航輔は17日から参加の予定となっている。

 キルギス戦とベネズエラ戦にそれぞれ違うメンバーを招集したことでチャンスを掴んだ選手もいる。ガンバ大阪のMF井手口陽介は昨年5月以来、約1年半ぶりの日本代表復帰となった。

 久々にA代表の練習に参加した井手口は「人もたくさん来ていて、注目されて期待される場所なんだなと改めて感じた」と述べ、「見られている分、しっかり責任を、いいプレーを見せられるようにしていければいいかなと思います」と気を引き締めていた。

 昨年のロシアワールドカップ直前でメンバーから漏れた後、井手口のキャリアは暗礁に乗り上げた。度重なる大怪我によりヨーロッパでも力を発揮しきれず、今年夏に古巣ガンバへ復帰。そこで徐々にかつての姿を取り戻し、今回の日本代表復帰までたどり着いた。

 この1年半は「サポーターと同じ立場で」日本代表の戦いぶりを見ていたという23歳は「やっぱり試合勘やったり、試合の運動量を徐々に掴めてきてるのは自分の中にあったので、その中で選ばれたのは素直に嬉しい」と語る。

 だが、本当の勝負はこれから。今回はキルギス戦に招集された一部の選手たちが一足早く所属クラブに戻ったことでチャンスが巡ってきた形。東京五輪世代の若い選手たちも台頭してきており、実力者がひしめくボランチで競争の一番下、「ゼロからのスタート」となる。

「絶対見返してやるという気持ちで、怪我も含めてやってきたので、それを『ああいう経験があったからよかったね』と言ってもらえるような結果を出していければいい」

 まずは練習から存在感を発揮し、自分の持ち味を前面に押し出してアピールすることでピッチに立つチャンスを掴めるか。

「残りたいという気持ちは強いですけど、その前にやっぱりアピールしないと、残りたくても残れないので、そのことだけ考えています」

武器とするアグレッシブな姿勢、ボール奪取、強烈なシュートなどを結果に結びつけられるか。その先に日本代表で生き残るための道が見えてくる。

(取材:元川悦子【大阪】、文・構成:編集部)

【了】

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