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植田直通が口にしたリーダーの自覚。吉田麻也ら不在で「DFラインは僕が必ず引っ張る」

text by 編集部 photo by Getty Images

植田直通
日本代表のDF植田直通【写真:Getty Images】

 日本代表は18日、パナソニックスタジアム吹田でキリンチャレンジカップ2019のベネズエラ代表戦に向けた前日練習を行った。

 昨年11月の対戦で1-1と引き分けた相手との再戦になる。ただ、日本代表は14日に行われた2022年カタールワールドカップのアジア2次予選・キルギス戦からメンバーを入れ替えており、とりわけディフェンスラインは主力の多くがチームを離れて所属クラブに戻った。

 センターバックのDF吉田麻也、右サイドバックのDF酒井宏樹、左サイドバックのDF長友佑都と、いずれも経験豊富で長年にわたって日本のディフェンスラインを支えてきた3人がいない状況でベネズエラ代表を迎え撃つことになる。

 初招集や久々の選出となった選手も多い中、キルギス戦にも出場したDF植田直通は「ディフェンスラインでは、僕が必ず引っ張っていきたいと思います。自分が分かっていることも多いと思うので、そういったところは分からない選手にも、あまり出ていない選手にも、僕が喋っていければいいと思う」と守備陣を統率するリーダーとして芽生えた自覚を口にした。

「僕が出ることがあれば、僕はもっと引っ張っていきたいと思うし、誰がキャプテンとかではなく、チーム全体を良くするために僕がもっと喋っていきたいと思います」

 寡黙な選手のイメージが強い植田だが、心には熱い思いを秘めている。それを表に出してベネズエラ戦の勝利に貢献できれば、“闘将”として一皮剥けた頼もしいセンターバックとして周囲からの信頼も高まっていくはずだ。

 日本代表での経験が少ない選手たちに対して植田は「もっと積極的にいかないと…とは思うし、僕自身もそうだし、せっかくこの舞台に来たならば思い切りやってほしいとも思う」と要求する。

 そのうえで「全部を出し切るパフォーマンスができるように僕も力になりたいと思うし、そういう手伝いができればいい」と、周りの選手が実力を発揮できるようサポートする姿勢も見せた。

 植田自身、日本代表のメンバーに入っても試合に出られない時期が長く続いた。ロシアワールドカップでも23人の最終メンバー入りを果たしたが、本大会では出番なし。そういった苦難の時期も乗り越えて徐々に出場機会を増やしつつあるところだ。

 代表チームは必ず選ばれるところでも、常に居場所があるわけでもない。「1つひとつの時間を無駄にしてほしくない」というメッセージは植田の本心。コパ・アメリカで南米勢との戦いの経験値も蓄え、ディフェンス陣を引っ張るリーダーとして全力で体を張る。

(取材:元川悦子【大阪】、文・構成:編集部)

【了】

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