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Jリーグ 4年前

J2プレーオフ争いは今どうなっているのか。横浜FCが13年ぶりの昇格へ、その条件は?【J1昇格争いの現状】

明治安田生命J2リーグは今週末、いよいよ最終節を迎える。柏レイソルの優勝&昇格は決まったが、依然として昇格争いは激しいものとなっている。今回は、注目度を上げ続けている昇格争いの現状をおさらいする。(文:編集部)

text by 編集部 photo by Getty Images

横浜FCが昇格に向け一歩リード

横浜FC
横浜FCの13年ぶりとなるJ1昇格は近づいている【写真:Getty Images】

 いよいよ今季の明治安田生命J2リーグも残すところあと1試合となった。長いシーズンをそれぞれのクラブがそれぞれの目標を抱きながら駆け抜けてきたわけだが、そんな全22チームの最終順位が今週末で決まることとなる。

 そんなJ2リーグで一足先に目標を達成したクラブが存在する。柏レイソルだ。同クラブは16日に行われた第41節のFC町田ゼルビア戦を、FW瀬川祐輔、FWクリスティアーノの得点で3-0と勝利し、来季のJ1昇格と今季のJ2優勝を決めたのである。7月下旬から首位の座を守り続けるなど、その強さは圧倒的であった。

 柏の昇格が決定したため、自動昇格圏は残り1枠ということになった。その座を争っているのが2位・横浜FCと3位・大宮アルディージャであるが、自動昇格権獲得に向け一歩リードしているのが前者である。

 ではここで両チームの順位表を見てみよう。

横浜FC(勝ち点76、総得点64、得失点+24)
大宮(勝ち点74、総得点61、得失点+22)
※勝ち点で並んだ場合は得失点差→総得点→当該チーム間の対戦成績で順位が確定する

 前節にファジアーノ岡山と対戦した横浜FCは、24分にMF松尾佑介が先制ゴールを奪取すると、その後は1点を粘り強く守り抜き1-0で勝利。勝ち点を76にまで伸ばすことになった。13年ぶりのJ1昇格へ向け、期待感は高まっている。

 横浜FCが最終節で昇格を決める条件は以下の通りだ。

・愛媛FCに勝利→大宮の結果に関係なく昇格が確定
・愛媛FCに引き分け→大宮がツエーゲン金沢に引き分け以下の成績であれば昇格が確定。大宮が1点差で勝利した場合も昇格
・愛媛FCに敗北→大宮が金沢に引き分け以下の成績なら昇格が確定

 反対に昇格を逃してしまう条件は以下の通り

・愛媛FCに敗れる→大宮が勝利した場合3位に転落
・愛媛FCに引き分け→大宮が勝利し、得失点や総得点で上回られるとその時点で3位転落。また、勝ち点、得失点、総得点で並んだ場合は横浜FCとの直接対決を1勝1分としている大宮が2位浮上

 このように、大宮に勝ち点でも得失点でも上回っている横浜FCの昇格はかなり近いと言える。最終節はホームでのゲーム。サポーターとともに歓喜の瞬間を味わうことができるか。

 一方、横浜FCと自動昇格権獲得を争う大宮だが、ここにきて2試合勝ちなしとブレーキを踏んでしまうこととなった。横浜FCとの勝ち点差は「2」であり、この差を逆転する可能性はあまり高いとは言えない。すでにJ1参入プレーオフへの出場権獲得は決めているとはいえ、なかなか厳しい現状だ。

 大宮が逆転で昇格を決める条件は以下の通り

・金沢に勝利→横浜FCが愛媛FCに敗れる
・金沢に勝利し、横浜FCが引き分けに終わる→得失点や総得点で上回ることができれば昇格。仮に勝ち点、得失点、総得点のすべてで並んだ場合は横浜FCとの直接対決を1勝1分としている大宮が昇格

 以上のように、大宮が逆転で昇格を果たすには勝利が絶対条件となる。それに加え横浜FCの結果次第になるため、2位浮上は厳しいと言わざるを得ないが、最後まで意地を見せたいところだ。

プレーオフ出場権争いの行方は?

 横浜FCと大宮が自動昇格圏を争っているが、最も混戦となっているのがJ1参入プレーオフ出場権獲得争いだ。横浜FCと大宮のどちらかはすでにJ1昇格プレーオフに出場することが確定しているため、残りは3枠となる。その限られた席を狙っているのが、モンテディオ山形、徳島ヴォルティス、ヴァンフォーレ甲府、京都サンガF.C.、水戸ホーリーホックである。

 ではここで順位表を見ていきたい。

4位:モンテディオ山形(勝ち点70、得失点+20、総得点58)
5位:徳島ヴォルティス(勝ち点70、得失点+19、総得点64)
6位:ヴァンフォーレ甲府(勝ち点68、得失点22、総得点62)
7位:京都サンガF.C.(勝ち点68、得失点+15、総得点58)
8位:水戸ホーリーホック(勝ち点67、得失点+18、総得点55)

 順位表を見てもわかる通り、勝ち点70を稼いでいる山形と徳島のプレーオフ出場はかなり近いと言える。最終節で勝利すれば無条件で6位以上が決まり、引き分けに終わっても7位・京都との得失点差が両チームともに4以上離れているため、逆転される可能性は薄い。あとは、どれだけ高い順位でプレーオフに挑むことができるか、という部分が重要となってきそうだ。

 そのため、甲府、京都、水戸の3チームが実質的にJ1参入プレーオフ出場権の残り1枠を争うといっても過言ではない。

 その中で一歩リードしているのが甲府だと言える。同クラブは現在までに勝ち点68を稼いでいるが、得失点も+22とかなり良い数字。勝ち点で並んだ場合はかなり有利になると言えるだろう。最終節の相手は14位・FC琉球だが、ホームでの一戦と言うこともあり、勝利を収める可能性は高い。

 7位の京都は勝ち点だけを考えれば十分6位以内に入り込む可能性が高いと言えるが、得失点+15がかなり痛い。この数字は山形、徳島、甲府を大幅に下回っており、勝ち点で並んだ場合はかなり不利となる。さらに最終節の相手は先日優勝を果たした柏。アウェイゲームということで、かなり厳しい試合になることが予想される。

 8位の水戸もかなり厳しい位置にいる。勝ち点67を稼いでいるが、6位以内に入るには自分たちが勝利し、甲府や京都の結果を待たなければならない。引き分けた場合でも甲府や京都の結果によってはプレーオフ出場権獲得を決めることができるが、その条件が揃う確率はあまり高くない。最終節の相手は9位の岡山。実力は拮抗しているだけに、なかなかハードな試合になるだろう。しかし、プレーオフ出場への希望はある。最後まであきらめずに狙い続けてほしい。

(文:編集部)

【了】

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