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日本代表・森島司、輝き放つも生き残りは崖っぷち。デビュー戦アシストでも険しい居場所の確保【E-1サッカー選手権】

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka
森島司
日本代表デビュー戦でアシストをマークしたMF森島司【写真:田中伸弥】

【日本 2-1 中国 E-1サッカー選手権第1節】

 EAFF E-1サッカー選手権・韓国大会の初戦、日本代表対中国代表の試合が10日に行われ、日本が2-1の勝利を収めた。

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 サンフレッチェ広島に所属するMF森島司は、3-4-2-1の左シャドーでフル出場。A代表デビューとなったこの試合で輝きを放った。

 先制点は森島の左足から生まれた。左サイドで森島が下がってDF佐々木翔からボールを受け、ワンタッチでリターン。これを佐々木が縦につけると、FW上田綺世がヒールで落とす。これに反応した森島が縦に突破。相手DFがスライドして対応するが、森島が抜け切る前に左足でGKとDFの間にボールを入れ、FW鈴木武蔵がゴールへと流し込んだ。

 22歳の森島は今季、広島で出場機会を掴んだ。昨季はわずか5分だったリーグ戦の出場はで24試合に増加し、リーグ6位タイの7アシストをマークするなど、飛躍のシーズンになった。

 広島でも3-4-2-1のシャドーでプレーし、プレースキッカーを任されている。相手のブロックの間で受けるポジショニングに優れ、左足から放たれるキックの精度も高い。演出力に秀でた司令塔タイプの選手だ。

 Jリーグでの活躍はU-22日本代表への扉を開いた。今年10月のブラジル遠征メンバーに選出。U-22ブラジル代表戦の出場はなかったが、残り1年を切った東京五輪に向けて、崖っぷちでメンバー候補に名前を残した。

 しかし、A代表はもちろん、五輪世代での居場所確保への道のりは険しい。

 A代表の2列目には南野拓実、久保建英、堂安律、中島翔哉、伊東純也という実力者が揃う。五輪世代には久保と堂安に加えて三好康児、食野亮太郎、安部裕葵と挙げればキリがないほどにライバルがひしめいている。

 それでも、28日のU-22ジャマイカ戦ではなくE-1に選出されたことからは、首脳陣の高い評価と期待が窺える。さらにこの試合では、五輪世代の中心選手である橋岡大樹や上田と並んで先発メンバーに選ばれた。道のりは険しいが、残り2戦が森島に残されたわずかなチャンスと言えるだろう。

【了】

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