U-23日本代表、露呈した厳しい現実。東京五輪強化は行き詰まり…アジアで追い抜かれる伸び悩み【AFC U-23選手権】

2020年01月10日(Fri)7時15分配信

photo Shinya Tanaka
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森保一
U-23日本代表を率いる森保一監督【写真:田中伸弥】

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【U-23日本代表 1-2 U-23サウジアラビア代表 U23アジア選手権・グループB組第1節】

「東京五輪で金メダル獲得」という目標は、サッカーU-23日本代表にとって極めて困難なものになりそうだ。現時点で達成の可能性はごく僅かと言わざるを得ないだろう。

 森保一監督率いるU-23日本代表は9日、AFC U-23選手権(東京五輪アジア最終予選)のグループリーグ第1節でU-23サウジアラビア代表と対戦し1-2の敗戦を喫した。

 今から約1年半前、東京五輪世代のチームがまだU-21日本代表だった頃、アジア大会の準々決勝で両チームは対戦している。同大会はU-23代表での参加が基本だが、日本もサウジアラビアも共にU-21代表を組んできていた。

 強度の高いプレッシング戦術を用いてきたU-21サウジアラビア代表に苦しめられたU-21日本代表だったが、岩崎悠人の2ゴールが決まって2-1で勝利。最終的にはU-23韓国代表に敗れたものの、アジア大会は準優勝だった。

 それぞれが強化を進めて再び激突した東京五輪出場権をかけた舞台で、1年半経って「U-23」になった日本代表は、一度勝ったはずのサウジアラビアに敗れた。五輪という4年に一度の大会に向けた強化の過程で追い抜かれたと言えそうだ。

 メンバーが入れ替わっているとはいえ、日本にもサウジアラビアにも1年半前の対戦時に出場あるいはベンチ入りしていた選手が数多くいた。日本には海外組で招集できない選手もいたが、五輪本大会でもそうなる可能性がないとは言い切れない以上、現場のベストメンバーで敗れたことになる。

 アジア大会では決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でハットトリックを決める大暴れを見せていた、ハールーン・カマラというFWがU-21サウジアラビア代表の前線に君臨していた。しかし、あの頃エース級だったストライカーは今ではメンバーにも入らない。

 短期間のうちに下の世代からも実力を伸ばしたFWが台頭し、U-23サウジアラビア代表メンバーの中にはA代表経験者が8人含まれている。9日に勝利した日本戦で存在感を放った背番号9のストライカー、アブドゥラー・アル・ハムダンは20歳ながらA代表のワールドカップ予選でもゴールを決めてU-23代表のエースへと上り詰めた。

 一方で、日本の東京五輪世代でチーム内の序列を覆すような競争はどれほどあっただろうか。昨年のコパ・アメリカやEAFF E-1サッカー選手権で一部の選手たちは「A代表」として経験を積んだかもしれないが、実質的な「U-22代表」や「B代表」に近い状況で、サウジアラビアと同じようなステップアップとは言えないだろう。

 東京五輪世代の代表チームが、森保監督の言う「ベストメンバー」を招集できたのは昨年11月のU-22コロンビア代表との親善試合だった。急に入ってきた海外組の選手たちと、既存の選手たちのプレーが噛み合わず、ホームで痛恨の完敗を食らったのは記憶に新しい。

 もし今回、AFC U-23選手権で海外組の久保建英や堂安律といったメンバーが入っていたとしても、チームの総合力や組織力ではサウジアラビアに劣り、結果は変わらなかったかもしれない。自国開催で「金メダル」を目標に掲げた東京五輪まで残り半年あまりとなった今、A代表とU-23代表を兼任する森保監督のチーム作りは行き詰まりつつある。

 サウジアラビア戦に敗れたことは、東京五輪世代全体の成長が停滞し、アジアの中でも他国に追い落とされつつあることを示しているようだった。

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【了】

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