鎌田大地は「本当に今日に賭けていた」。ハットトリックを生んだ変則的なポジショニングとは?【欧州EL】

UEFAヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16・1stレグ、アイントラハト・フランクフルト対レッドブル・ザルツブルクが行われ、4-1でフランクフルトが快勝した。ハットトリックの活躍でチームの勝利に導いた鎌田大地だが、後半戦は先発機会に恵まれず。「今日が勝負だなと思っていた」という試合後のコメントからは、この試合にかける思いが溢れていた。(取材・文:本田千尋【フランクフルト】)

2020年02月21日(Fri)11時34分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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変則的な鎌田大地のポジション

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【写真:Getty Images】

 鮮烈なハットトリックだった。2月20日に行われたヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメント1回戦、対レッドブル・ザルツブルク戦。アイントラハト・フランクフルトが一方的な強さを見せつけた4-1の大勝劇の主役は、鎌田大地だった。

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 アディ・ヒュッター監督は[4-3-3]の布陣で、鎌田を右ウイングのポジションで先発起用。鎌田によれば、攻撃時には中央寄りにポジションを取る「変則的な」やり方なのだという。

「守備の時だけ右ウイングで、攻撃の時は真ん中とまではいかないですけど、中に入ってきて、10番のポジションを取ったりしました。今まで他の選手が出ていた時とは少し違う、変則的なフォーメーションになったと思います」

 後半戦に入ってからスイス人指揮官は、後ろを3バックから4バックに変更。サイドをウイングバック1枚に任せるのではなく、ウイングにSBを絡めて2枚で崩していくようになった。ザルツブルク戦の鎌田も、その戦術変更の恩恵を受けたと言えるだろう。

 1点目は、フィリップ・コスティッチとのワンツーで上がった右SBのアルマミ・トゥーレがお膳立て。ペナルティエリアの中で受け取った鎌田は、敵のGKとの1対1を右足で決め切った。

「今日はGKの足に当たってゴールに入りましたけど、去年は足に当たってバーに当たったり、アンラッキーなことがすごく多かった。本当にあのシュートが入って自分の中で上手く吹っ切れたというか、1点入れると複数得点できることも結構多いので、気持ちの面ですごく楽になったと思います」

ハットトリックを達成

 2点目は、「変則的なフォーメーション」が功を奏したと言えるだろう。中央寄りにポジションを取った鎌田が、ジブリル・ソウのスルーパスに抜け出して独走。最後はジェローム・オンゲネを「キックフェイントで交わ」し、「少し浮かせて」、今度は左足で決め切った。

「追いつかれるなと思っていたので、上手くキックフェイントで交わせましたし、最後は少し浮かせて、最後の最後まで冷静になれていたというのはすごく大きかったと思います」

 そして3点目は頭で決める。左ウイングのコスティッチがクロスをDFに当てて失敗したが、跳ね返ったボールを拾った左SBのエバン・エヌディカが再び中に入れる。ゴール前に立った日本代表FWは、このボールを悠々とヘディングで押し込む。これでハットトリック達成だ。

 こうして鎌田が圧倒的なパフォーマンスを見せつけたフランクフルトは、ホームで開催された第1戦を4-1で圧勝する。ベスト16に向けて大いに前進した。

 フランクフルト屈指の技巧派MFは「今日が勝負だなと思っていた試合で結果を残せて、ほっとしています」と言う。

「本当に今日に賭けていた」

 怪我で出遅れたこともあり、後半戦に入って出場機会に恵まれていなかった鎌田にとって、このザルツブルク戦は久々に巡ってきたチャンスだった。

「昨日の時点でスタメンは分かっていたので、詰め込みすぎるのは良くないですけど、昨日からしっかりメンタル面を整えていました。本当に今日に賭けていたので、ひとつこう……難しい山を越えることができたと思います」

「難しい山を越えることができた」と言うように、鎌田は千載一遇と言っても過言ではないチャンスをしっかりと掴み切った。そして、ハットトリックという最高の結果を残したことで、リーグ戦での先発復帰も十分にあり得るだろう。

 変則的な右ウイングのポジションについては、「試合数を重ねていないのでなんとも言えない」と前置きしつつ、「よりゴールの近くでボールを触れる機会が今日はすごく多かったので、僕にとってはすごくいいことだと思います」と一定の手応えを感じた。いよいよ鎌田にとって最適なポジションが見つかったのかもしれない。

 ザルツブルク戦での鮮烈なハットトリックは、ブンデス初ゴールの誕生も十分に予感させるものだった。変則的な右ウイングのポジションがハマれば、ELも含め、ドイツ・カップ、ブンデスと過密日程が続くフランクフルトにとって、鎌田は本当に貴重な戦力となるに違いない。

【組み合わせ・対戦表はこちら】

(取材・文:本田千尋【フランクフルト】)

【了】

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