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代表 4年前

ナイジェリア代表、背番号10の系譜。アフリカ屈指のタレント集団を束ねたカリスマたち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

南アフリカワールドカップ(2010)

イデイエ・ブラウン
【写真:Getty Images】



背番号10:イデイェ・ブラウン(ソショー)
生年月日:1988年10月10日(当時21歳)
個人成績:0試合出場/0得点0アシスト

監督:ラース・ラーゲルベック
戦績:グループリーグ敗退

 南アフリカワールドカップの出場メンバーに招集された当時、イデイェ・ブラウンの代表キャップは「ゼロ」だった。

 トルコリーグでブレイクを果たし、2010年1月にフランス1部のソショーへ移籍したイデイェに初めてナイジェリア代表から声がかかったのはワールドカップ前の2010年5月のこと。その時は予備招集の30人リストに入りながら、23人の最終メンバーからは落選していた。

 ところが大会直前になって大黒柱のジョン・オビ・ミケルがひざを負傷して離脱したため、イデイェが急きょ追加招集された。そしてミケルが着けていたものをそのまま引き継いだため、背番号10になったのである。

 ピッチ上のリーダーであり精神的支柱でもあったミケルが抜けた穴は大きく、ナイジェリア代表は1勝も挙げられずにグループリーグ敗退となった。初戦のアルゼンチン戦と第2戦のギリシャ戦と連敗したものの、勝てば決勝トーナメント進出の可能性がわずかに残っていた第3戦の韓国代表戦に引き分けてしまった。

 最後まで気の抜けない戦いが続く中、追加招集だったイデイェが短期間で序列を覆すことは難しく、一度も出番はなかった。結局、ワールドカップ直後の2010年8月、南アフリカでの激闘の記憶新しい韓国代表との国際親善試合でナイジェリア代表デビューを飾ることになる。

 南アフリカワールドカップ後の2010/11シーズンにフランス1部リーグで15得点を挙げると、ウクライナの強豪ディナモ・キエフへ移籍。ウェストブロムウィッチ時代にはプレミアリーグも経験し、ギリシャのオリンピアコスでもプレーした。その後は中国、スペインを経て、現在はギリシャ1部のアリス・テッサロニキに所属している。

 こうしたクラブレベルでの活躍ぶりの一方で、ナイジェリア代表には定着しきれず2016年10月を最後に招集されていない。現時点での通算成績は27試合出場6得点。ブラジル大会とロシア大会は招集外だったため、ワールドカップではまだ1分もピッチに立てていない。

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