フットボールチャンネル

代表 4年前

ブラジル代表、GKの系譜。稀代のPKストッパーから新世代の絶対守護神まで…ゴールに鍵をかける番人たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

南アフリカW杯(2010)&ブラジルW杯(2014)

ジュリオ・セザール
【写真:Getty Images】

ジュリオ・セザール
生年月日:1979年9月3日
個人成績(2006):0試合出場/0失点
個人成績(2010):5試合出場/4失点
個人成績(2014):7試合出場/14失点

 ブラジル代表には2003年から招集されるようになったが、ジダらの厚い壁に阻まれてなかなか継続的な出場機会を得られていなかった。しかし、2005年に欧州進出を果たし、2005/06シーズンからイタリアの名門インテルで定位置を掴むと、ブラジル代表でもドイツワールドカップ後から正守護神に据えられるようになる。

 インテルでは2005/06シーズンからセリエA5連覇に大きく貢献し、ブラジル代表でも不動の地位を築いた。そしてクラブでチャンピオンズリーグとセリエA、コッパ・イタリアの三冠を達成した直後、2010年南アフリカワールドカップに正GKとして出場する。

 ブラジル代表は準々決勝でオランダ代表に敗れてしまったが、決勝トーナメント1回戦のチリ代表戦までわずか2失点に抑え、大会屈指のショットストッパーとしての実力は示した。ところが南アフリカワールドカップ終了後、インテルで徐々にパフォーマンスを落としたこともあってブラジル代表からも遠ざかるようになる。

 2012年夏にはサミール・ハンダノヴィッチ加入にともなってイングランドのQPRへ移籍。同年末に就任したルイス・フェリペ・スコラーリ監督にも信頼されて、ブラジル代表にも復帰することができた。2013/14シーズンはイングランド2部に降格したQPRで定位置を失い、シーズン途中で北米MLSのトロントFCへ期限付き移籍するも、セレソンでの信頼は揺るがず。母国開催の2014年ブラジルワールドカップに正GKとして出場を果たした。

 決勝トーナメント1回戦のチリ代表戦までは順調に勝ち進み、ジュリオ・セザールはその試合のPK戦でマウリシオ・ピニージャとアレクシス・サンチェスのPKを止める活躍を披露。しかし、準々決勝のコロンビア代表戦でネイマールが負傷し、チアゴ・シウバは警告の累積により準決勝が出場停止になってしまった。

 するとブラジル代表は崩壊。準決勝のドイツ代表戦で、“ミネイロンの惨劇”と呼ばれることになる1-7の屈辱的な大敗を喫すると、3位決定戦ではオランダ代表に3ゴールを叩き込まれた。

 ブラジルワールドカップでは7試合に出場して14失点。ジュリオ・セザールは2大会で通算18失点を喫し、これまで3大会に出場したタファレルが持っていたブラジル代表のワールドカップ通算失点記録を「15」から「18」に塗り替えることとなってしまった。

 このワールドカップをもってジュリオ・セザールはブラジル代表引退を表明。大会後からはベンフィカでプレーし、2018年に母国の古巣フラメンゴで現役を引退している。

●2014年ブラジルW杯・ドイツ戦の先発メンバー

▽GK
ジュリオ・セザール

▽DF
マイコン
ダビド・ルイス
ダンチ
マルセロ

▽MF
ルイス・グスタヴォ
フェルナンジーニョ
ベルナルジ
オスカル
フッキ

▽FW
フレッジ

【次ページ】ロシアW杯(2018)

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top