久保建英がリーグ戦ベンチ要員の厳しい理由とは…? 完成度の高いビジャレアルのサッカー、ポジション奪取を難しくさせる存在は

ラ・リーガ第9節、ヘタフェ対ビジャレアルが現地時間8日に行われ、1-3でビジャレアルが勝利した。久保建英は途中出場となったが、10分足らずで試合は終了。チームは過密日程の中でも完成度を高めているが、久保はリーグ戦でプレータイムをなかなか伸ばせずにいる。(文:加藤健一)

2020年11月09日(Mon)8時50分配信

text by 編集部 photo Getty Images
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超過密日程で掴んだ勝ち点3

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【写真:Getty Images】

 ウナイ・エメリ監督が率いるチームらしく、ビジャレアルはしたたかで抜け目がない。後半は相手がボールを握っても、手綱までは渡さなかった。

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 木曜日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)から中2日。マッカビ・テルアビブ戦が終わったのが木曜の23時ごろで、ヘタフェ戦のキックオフは14時。中63時間という超過密スケジュールで勝ち点を取りこぼさなかったことがなによりの成果だった。

 DFラインを高く保つヘタフェはプレッシャーをかけて敵陣に押し込もうとしたが、ビジャレアルのパスワークが勝った。復帰から2試合続けて先発となったダニ・パレホを中心にヘタフェのプレスを回避すると、ヘタフェのサイドバックの裏のスペースを狙った。

 ビルドアップで最終ラインに降りたパレホから、対角線にロングフィードが飛ぶ。右サイドバックのマリオ・ガスパールが頭で折り返すと、ゴール前でフリーになったパコ・アルカセルがGKの股を抜くシュートでビジャレアルが11分に先制した。

 16分にマウロ・アランバッリのゴラッソで同点に追いつかれたが、直後に逆転に成功。左サイドを崩し、最後はゴール前に侵入したマヌ・トリゲロスがゴールに押し込んだ。

ビジャレアルの完成度の高さ

 前半はビジャレアルがボールを持ち、ヘタフェがカウンターを狙う展開だった。しかし、ビハインドを負ったヘタフェはハーフタイムまでに3人の交代枠を使い、前掛かりの布陣へと変更。後半はヘタフェがボール保持率で上回っている。

 しかし、ビジャレアルが劣勢だったというわけでもなかった。後半のビジャレアルはヘタフェにボールを持たせ、DFラインを下げて相手の攻撃を迎え撃った。ジェラール・モレノを前線に残す4-4-2の守備は安定感があり、そのエースはカウンターの中継地点としても機能していた。

 ヘタフェはボールを握った後半の方が攻め手に欠き、ビジャレアルを最後まで崩すことができなかった。相手が前掛かりになったところの裏を取ったビジャレアルが、ジェラール・モレノのゴールで62分に点差を2点に広げた。

 プレシーズンから準備していたものとは異なる布陣で戦っている。9月27日にバルセロナに0-4で大敗して以降、中盤はビセンテ・イボーラをアンカーに置く形が基本になった。

 空中戦やセカンドボールの回収に秀でたイボーラがセンターバックの前に立つことでディフェンスに安定感が生まれた。相手の出方に応じて戦い方を変える柔軟さがあり、バルセロナ戦以降は7勝2分と好調を維持している。

指揮官の嬉しい悩み

 ELはCLより過酷と言われている。決勝に進むまでにはCLより2試合多く戦わなければならない。ELは通常木曜日に行われるため、ヘタフェ戦のようにリーグ戦が日曜に行われれば、中2日で臨むことになる。さらに、ビジャレアルはアジアやアフリカに近いトルコ、アゼルバイジャン、イスラエルのクラブと同組になっており、長距離移動も避けられない。

 昨季はELに出場したエスパニョールがラ・リーガで不振を極めて降格したが、ビジャレアルは二の舞とはならなかった。エメリ監督が就任した今季、ビジャレアルは9試合で勝ち点18、5勝1敗3分という好スタートを切っている。

 さらに、ELでも3連勝でグループステージ前半を折り返した。大幅なターンオーバーを敷き、リーグ戦ではなかなかプレータイムを得られていない選手を起用している。

「多くの選手たちのパフォーマンスとこの数試合でのプレーに満足している」と、エメリ監督はヘタフェ戦後に振り返るように、久保建英やカルロス・バッカ、そして下部組織出身の若手もELで結果を残した。難しいゲームが続く中で、主力以外の選手も活躍していることはチームにとってうれしい悩みとなっている。

久保建英がつけ入る隙はない

 モイ・ゴメスのようにディフェンスに貢献できる2列目の選手は、臨機応変に戦うビジャレアルの生命線である。必然的にモイ・ゴメスに比べて守備に不安のあるサミュエル・チュクウェゼや久保の序列はどうしても下がる。両者は攻撃面でのポテンシャルは間違いなくあるが、ポジションを奪うにはディフェンス面で成長を見せるか、ジェラール・モレノを凌駕する結果を残さなければならない。

 パレホとジェラール・モレノが11月に入って復帰し、主力はほぼ揃ったことになる。ここまでリーグ戦5試合に先発していたチュクウェゼや直近のELでアシストをマークした久保はヘタフェ戦の戦況をベンチから見守っている。

 久保がピッチに立ったのは86分で、このときには試合の大勢はすでに決している。試合をクローズする役割が与えられた久保のこの試合のパフォーマンスを、他の選手たちと同様に比較するのは難しい。とりわけ悪くもなければ、際立ってよかったと言えるほどの材料もなかった。

 ビジャレアルは先述の通りの過密日程で、エメリ監督は控え選手を積極的に起用している。11人だけで長いシーズンは戦えないことは、EL3連覇を経験しているエメリが熟知している。久保がチームを救う場面は必ずやってくるはずだ。

(文:加藤健一)

【了】

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