「またか!?」。PSG、天敵バルセロナと4度目対戦。サポーターは嘆きも…過去の繰り返しかリベンジか【欧州CL】

チャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16の組み合わせ抽選会が14日に行われ、パリ・サンジェルマン(PSG)はバルセロナと対戦することになった。カタール資本が参入し、CLの常連となった2012/13シーズン以降、PSGが決勝トーナメントでバルセロナと当たるのはこれで4回目。その過去3回全てで次ラウンドへの進出を阻まれているPSGにとっては雪辱を果たすチャンスだが、果たして今回はどうなる?(文:小川由紀子【フランス】)

2020年12月19日(Sat)10時30分配信

text by 小川由紀子 photo Getty Images
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PSGがバルセロナとまたも激突

パリ・サンジェルマン
【写真:Getty Images】

 14日にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメントの抽選が行われ、パリ・サンジェルマン(PSG)のラウンド16での対戦相手が、バルセロナに決まった。

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 現地でのリアクションは「またか!?」である。

 カタールが資本に参入して、CL常連となった2012/13シーズン以降、決勝トーナメントでバルセロナと対戦するのは、2013年、2015年、2017年、に続いてなんと4回目だ。

 PSGのスポーツダイレクター、レオナルドはこの抽選結果を受けて「ここ数年で彼らとは本当によく対戦している。ラウンド16で彼らと当たるのは厳しいが、頂点に立つという我々の偉大な目標を達成するには、このようなレベルの相手と戦うことは避けられない」とコメントした。

 まさに、『ビッグイヤーを手に入れるのは、バルセロナを倒してからだよ』と課題を与えられているかのようだ。

 ここからは、これまでの3回の対戦を振り返ってみよう。

監督アンチェロッティ、主砲は…

 2013年は、準々決勝での対戦だった。

 このシーズンのPSGを率いていたのはカルロ・アンチェロッティで、主砲はズラタン・イブラヒモビッチ。チアゴ・シウバ、マクスウェル、アレックスらブラジル勢がディフェンスを固め、中盤に体力派のブレーズ・マテュイディと技能派ハビエル・パストーレ、そして、1月にはデイビッド・ベッカムも入団と、面白いメンバーだった。

 対するバルセロナは、リオネル・メッシを筆頭に、ジェラール・ピケ、アンドレス・イニエスタ、シャビ、セルヒオ・ブスケッツ、ダビド・ビジャ、ダニ・アウベスらがいた時代。

 パルク・デ・プランスでの1stレグは、12対15というシュート数が示すとおりエキサイティングな撃ち合いとなり、両者ともポストをかすめる惜しいシュートを浴びせる中、メッシが先制点をあげた。

 終盤79分、フリーキックを起点にイブラヒモビッチが1点を返して同点に追いつくが、シャビがPKを決めて終了直前にバルセロナが1-2で再びリード。ところが、アディショナルタイムにマテュイディが打ったシュートにGKビクトル・バルデスが対応しきれず、PSGが2度も同点に追いつく劇的なエンディングだった。

 そして翌週、カンプ・ノウでの2ndレグは、前半を0-0で終えたあと、後半に入ってまもなくパストーレがソロドリブルからゴール。PSGが勝ち抜けに王手をかけたが、20分後、ベンチスタートだったメッシのパスを起点にペドロが左足でたたき込み、1-1で試合終了。総計3-3ながら、アウェイゴールの利でバルセロナが準決勝進出を決めた。

 ちなみに準決勝では、バルセロナはバイエルン・ミュンヘンに総計0-7と大敗し、バイエルンがドルトムントとの同胞対決を制して優勝している。

同大会で計4度も対戦

 そして2014/15シーズンは、グループリーグ、準々決勝の2度、計4試合も対戦している。

 1戦目となったグループリーグ第2節で、PSGはバルセロナを3-2で破り、両試合ともドローに終わった2年前の不完全燃焼を払拭。主砲のイブラヒモビッチは不在だったが、バルセロナと相性のいいパストーレがここでも活躍。バルセロナ側は、メッシとネイマールが得点した。

 カンプ・ノウでのリターンマッチは、復帰したイブラヒモビッチが15分に先制点を奪うも、4分後にメッシに返され、その後ネイマール、ルイス・スアレスと、MSNトリオが揃って得点して3-1でスペイン勢が勝利した。

 …と、グループリーグでは“互角”と言えなくもないスコアだったのだが、準々決勝でPSGは力の差をまざまざと見せつけられることになる。

 ホームでの1stレグでさっそく1-3と、アウェイゴールを3点献上。この試合もイブラヒモビッチが欠場、ディフェンスの砦だったチアゴ・シウバも21分に負傷退場し、守備が揺らいだところをルイス・スアレスに突かれた。両軍のトップは、エディンソン・カバーニvsルイス・スアレス、というウルグアイ人対決だったが、カバーニはノーゴール、スアレスは2点と軍配は明らか。

 PSGのロラン・ブラン監督は「スアレスは、チーム全体としてより機能していた側のストライカーだったということ。この試合のチーム状況の差でエディンソンを評価するのはあまりに酷だ」と自軍のエースを庇ったが、前半には、エースなら外してはならないクリアなチャンスもあった。

 2ndレグ、ブラン監督は大胆不敵にも「バルセロナをカンプ・ノウで無得点に抑えること」を目標に挙げたが、試合開始後14分で、ネイマールがその目標を挫き、20分後にも追加点をあげて2-0でバルセロナが勝利した。

 バルセロナのポゼッションに苦しんだPSG勢は、ボールを奪うだけで精一杯で、奪った後に効率よく展開する余力までは残されていなかった。ちなみにバルセロナはこのシーズン、決勝戦でユベントスを破って優勝している。

記憶に残り続けるカンプ・ノウの悲劇

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【写真:Getty Images】

 そして前回、2016/17シーズンのラウンド16だ。

 ホームでの1stレグは、「勝てると信じていたが、まさか4-0とは…」(マルコ・ヴェラッティ)と選手自身がもらしたほどの快勝だった。

 リーガでの監督時代に計23回バルセロナと対戦し、1回(1勝16敗6分)しか勝っていなかったウナイ・エメリ監督は、「バルセロナ戦は不得手」というレッテルとともに挑んだが、サブ要員だったアンヘル・ディ・マリアを先発で起用した策が当たり、アルゼンチン人MFが18分に直接FKから先制点。ユリアン・ドラクスラーとカバーニと、この日の3トップが揃って得点し、メッシ、ネイマール、スアレスのMSNのシュート数3に対して、カバーニ、ドラクスラー、ディ・マリアの“CDD”はゴール4本を含む計10本と圧勝だった。

『過去に1stレグを4-0で勝利した185チームのうち、次ラウンドに勝ち抜けたのは185チーム。つまり、PSGの8強入りの可能性は、ほぼ100%』とメディアも祭り上げる中、PSGは意気揚々とカンプ・ノウでの2ndレグに挑んだのだが…。結果はご存知のとおり、バルセロナが6点、しかも後半ATに2点を奪う奇跡的な大逆転勝利。期待が大きかった分ショックも甚大であり、フランスメディアには、屈辱、恥、大惨事…ありとあらゆるネガティブな単語が並んだ。

 あらためて試合を見返してみると、レフェリーの判定が微妙な部分もあるが、それも含めてバルセロナに神風が吹いたとしか言いようがない。

 決め手は前半終了間際のイニエスタの後ろ向きシュート(記録は最後に足が触れたPSGレーバン・クルサワのオウンゴール)と、ネイマールの直接FKからの4点目だ。

 開始3分にスアレスが先制点を入れたあと、バルセロナは何度もゴールを煽るも(シュート数はPSGの7に対し17)、なかなか追加点をあげることができず、焦りも見え隠れしていた。そんなとき、後半戦へ希望をつなぐ絶好のタイミングで2点目が入った。

 後半戦開始後にはメッシがPKで1点を追加し3-4と迫ったが、カバーニが62分に値千金のアウェイゴールをゲット。この時点でスコアは3-5、おまけにPSGにはアウェイゴールの利もあり、ついにバルセロナを決勝トーナメントで破れるか、という期待もチラついた。

 ところが88分、ネイマールが直接FKから無情なゴール。続いて、スアレスがゲットした(やや怪しい)PKをも決めて、あっという間に5-5と同点に並ぶ。GKテア・シュテーゲンまでが上がって猛然とゴールを奪いにいくバルセロナは、5分間のAT終了直前、途中出場のセルジ・ロベルトが、ネイマールからのボールを巧みに押し込み劇的な同点ゴール。100%の勝ち抜け説は、見事破られたのだった。

 この試合で燃え尽きたのか、バルサは次の準々決勝では、ユベントスから1点も奪えず総計0-3で敗退した、というのがなんとも皮肉だ。

ネイマールは意欲満々

 今シーズン再び対戦することになったのは、雪辱を果たす大チャンス! と盛り上がる一方で、PSGサポーターからは、「なんでまた彼らなんだ…」という嘆きの声も聞こえて来る。
 
 ロナルド・クーマン監督を迎えた今季のバルセロナには安定感がなく、「彼らを破るならいまだ!」という意見もあるが、つい最近の試合でもバルセロナはラ・リーガ首位に立っていたレアル・ソシエダを破るなど、調子を上げている様子もある。

 それにPSG側こそ、グループリーグ最後の2戦で快勝したかと思えば、リヨンに敗れて国内リーグで首位から陥落するなど、今季は不安定だ。

 対戦する2月のコンディション次第だが、現キャプテンのマルキーニョスは、「かつて自分達に打撃を与えたネイマールは、いまはこちら側にいる。彼はこの対戦を楽しみにしている。俺たちを勝たせようと意欲満々だ」とリベンジを誓っている。

 とにかく、話題性十分な好カードであることは間違いない。

(文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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