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日本代表 3年前

U-24日本代表にとって「未知なる領域」とは? 東京五輪で立ちはだかる壁、見通しが立たない点は…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

右と左で異なる事情



 そのうえで、チーム全体として個人能力や連携を十分発揮できる関係性をうまく作れるのか。そこは見通しが立たない点だ。

「(遠藤)航君たちはA代表を含めて長くやっているので、どこにいてほしいかを多く喋らずとも理解しているが、(田中)碧とは今回が初めてだったので、碧の特徴を少しずつ理解しながらやっている。(前田)大然君や三笘君も合わせないといけない」

 堂安がコメントしたように、2018年9月の森保ジャパン発足時からOA3人と組んできた彼にしてみれば、同世代の仲間よりも、遠藤、酒井宏樹といった年長者と共演する方がスムーズなのだ。

 実際、久保、冨安含めてA代表の関係性をそのまま持ち込んでいるU-24日本代表の右サイドは、連携が確立されている。一方で左サイド側とは事情が異なる。左MFであれば三笘と相馬、左サイドバックであれば旗手、中山雄太、古賀太陽らをテストし続けているため、連携確立にはまだまだ時間がかかる。三笘・旗手を縦関係で使うにしても、川崎と全く同じというわけにはいかない。

 そのあたりを迅速に解決しなければ、短期間で試合がやってくる五輪は乗り切れない。超過密日程の疲労を考えると、OA3人や久保、堂安をずっと使い続けるわけにもいかないだろう。そこでピッチに送り出される面々の連動性が一気に低下するようでは、高いステージまで勝ち続けるのは困難だ。

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