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バルセロナ、5年間の歴代スタメン&フォーメーション。国内タイトル寡占から悪夢の8失点大敗、そして踏み出した新時代への一歩

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

賛否両論の一年に(20/21シーズン)

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バルセロナ、2020/21シーズンの基本フォーメーション(黄色は新加入選手)



【シーズン成績】
UEFAチャンピオンズリーグ:ベスト16
リーガ・エスパニョーラ:3位(24勝7分7敗)
コパ・デル・レイ(スペイン国王杯):優勝

 チャンピオンズリーグ(CL)でバイエルン・ミュンヘンに2-8と大敗してポゼッションの限界を露呈したバルセロナはキケ・セティエン監督を解任し、2020/21シーズンより新指揮官としてクラブOBでもあるロナルド・クーマンを招聘。新時代への一歩を踏み出した。

 退団が噂されたリオネル・メッシは結局残留したが、ルイス・スアレス、アルトゥーロ・ビダル、イバン・ラキティッチといったベテラン選手が揃って退団。一方で補強したのはペドリ、フランシスコ・トリンコン、セルジーニョ・デストなど若手が主体となっていた。

 クーマン監督はシーズン当初4-2-3-1を採用していたが、リーグ戦でいきなり4試合未勝利を味わうなど戦いぶりは安定しなかった。その後、オランダ人指揮官はバルセロナにはお馴染みの4-3-3に移行。そこからはまずまずの成績を残したが、2月に行われたコパ・デル・レイ準決勝1stレグでセビージャに0-2完敗、チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16の1stレグでパリ・サンジェルマン(PSG)に1-4と大敗するなど、絶対的な満足感を得ることはできていなかった。

 風向きが変わったのはリーガ・エスパニョーラ第25節セビージャ戦だったか。クーマン監督はこの試合で3-1-4-2を採用すると、これがハマり難敵を2-0で撃破。さらに、その後のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグでも3バックを採用し、ここでも3-0で快勝を収め逆転で決勝へと駒を進めている。

 以降、クーマン・バルセロナの基本フォーメーションは3バックとなった。CLではPSGに敗れ早々に姿を消したものの、リーグ戦では好調を維持。一時は首位アトレティコ・マドリードを逆転できる勢いもあった。前半戦はプレスがハマらず、とくにCLに出場するような強豪相手に簡単に押し込まれるケースが多かったが、3バック移行後は多少のリスクがありながらも積極的に前に人数をかけ、敵陣内でプレーする時間を増やせていた。その中でメッシやジョルディ・アルバも調子を取り戻していた。

 しかし、クーマン監督率いるバルセロナは終盤にまさかの失速。結局、リーグ戦ではアトレティコ、レアル・マドリードに次ぐ3位フィニッシュとなってしまった。得点数はリーグトップ、失点数はトップ4の中でワーストというのが、このシーズンのバルセロナをよく表していると言える。

 激動のオフを経て迎えた難しいシーズンながら、試行錯誤を繰り返し一つタイトルを獲得することができた。さらにペドリ、オスカル・ミンゲサ、ロナルド・アラウホ、イライシ・モリバ、デストら若手を積極的に使い、彼らはしっかりと成長を果たしている。これは、バルセロナにとって間違いなくポジティブなことだった。

 一方でクーマン監督の采配に疑問の声が多く挙がったのも事実。とくに失速した終盤は、選手起用やゲーム中のシステム変更でサポーターをガッカリさせることも多かった。また、マドリーとアトレティコには結局1勝もできず、CLでもユベントスやPSGに大敗するなど、力のあるチームとの戦いでも弱さを露呈してしまった。

 賛否両論あるシーズンになったと言えるだろう。

▽GK
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン

▽DF
オスカル・ミンゲサ
ジェラール・ピケ
クレマン・ラングレ

▽MF
セルヒオ・ブスケッツ
セルジーニョ・デスト
フレンキー・デ・ヨング
ペドリ
ジョルディ・アルバ

▽FW
リオネル・メッシ
アントワーヌ・グリーズマン

【了】

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