フランス代表はなぜ地獄へと落ちてしまったのか。修正できなかった問題、足りなかったピースは…【ユーロ2020分析コラム】

2021年06月29日(Tue)11時54分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
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ロシアW杯とは違い…

 土壇場で勝利を逃し、延長戦でもゴールを奪えなかったフランス代表は、PK戦の末スイス代表に敗北。優勝候補筆頭とも言われた強国が、まさかのベスト16で姿を消すことになった。

 本職左サイドバックが不在の中、ラビオをウイングバックに置いた3バックシステムを採用し失敗したことももちろん悔やまれるが、やはり後半2点リードを奪えた中、前半とまったく同じ脆さを露呈したことがこの日一番の問題だった。ビハインドを背負う中で攻撃的な4-4-2に変化し3点を奪うも、逃げ切るために守備を整備できなかったデシャン監督の責任は確かに大きい。

 今大会、フランス代表は計4試合で6失点を喫した。優勝したロシアワールドカップでは7試合で6失点という成績だったが、そのうち4試合で無失点を記録している。それもベルギー代表、ウルグアイ代表、デンマーク代表、ペルー代表といずれも実力のある相手を完封している。メンバー的にはそれほど大きく変わっていないが、ここまでの差が出たのはなぜか。

 もちろん3年前と今とを単純に比較することはできず、今回は対戦相手もかなり厳しかったが、ブレーズ・マテュイディのような選手が不在だったことは、今大会のフランス代表に影響があったかもしれない。フィルター役としてのマテュイディはピカイチで、彼がいたことでよりカンテやポグバが持ち味を発揮しやすくなっていた、というのはロシアW杯で見られたものだ。

 とくにスイス代表戦で採用した4-4-2では中盤の強度に限界があった。ポグバはより攻撃的で実質カンテが一枚になることが多々。いくら肺が普通の人間よりある男でも、一人で引き締めるのは至難の業だった。

(文:小澤祐作)

【了】

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