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久保建英、日本サッカーは世界に「近づいていない」。スペインで2年活躍…そこで感じたトップレベルとの距離

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
【写真:Getty Images】


 U-24日本代表は東京五輪に向けて静岡県内で合宿をおこなっている。5日目となった9日には、MF久保建英がオンラインでの取材に応じた。

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 新型コロナウイルスの世界的流行にともない1年延期となった今回の五輪には、各国のU-24代表が集まってくる。通常はU-23代表が金メダルをめぐって争うので単純な比較はできないが、現在のU-24日本代表には過去に比べて海外組が多い。

 久保も欧州でプレーしている選手の1人だ。2019年夏にFC東京からレアル・マドリードへ移籍し、2019/20シーズンはマジョルカ、2020/21シーズンはビジャレアルとヘタフェへレンタルされた。

 世界的な名門クラブの中心選手になれていないとはいえスペイン1部リーグで2年にわたってプレーし、一定の地位を築けている。20歳でこれほどの実力と実績を兼ね備えた選手は過去にほとんどいなかった。

 日頃から世界トップレベルの環境でプレーしている久保は、日本サッカーが世界トップクラスの強豪国に近づいていると感じているかと問われると、次のように持論を述べた。

「個人的にはそこまで近づいたと思っていないし、むしろスピードでいったりは離されていると思うところもあります」

 欧州強豪国のトップリーグでプレーする選手が増えて「スタートラインに立っているのかなと思います」とも久保は言う。ただ、「強豪国といわれる国は何年も前に自分たちの状態を経験していると思うので、自分たちがいかにショートカットしていくかが大事になると思います」と、決して強豪国に近づいたとは感じていないようだ。

「2年間、いろいろなチームで試合に出て、いろいろな対戦相手とプレーして、世界のトップレベルの選手とプレーすることで、間違いなく自分のプラスになっていると思いますし、それが今の自分の自信につながっていると思います。けど、まだまだ始まったばかりなので。大事なのはしっかりブレることなく、まずは代表に集中して、それからのことは終わってから考えたいと思います」

 久保は日本サッカーの将来を背負って立つ存在として期待され、おそらくその自覚もあるだろう。いま世界のトップレベルに最も近い日本人選手の1人だ。しかし、2021/22シーズンはマドリーに戻ってプレーするのか、あるいは別のクラブに期限付き移籍するのか決まっていない。

 東京五輪で日本にメダルをもたらすとともに、個人のプレーでも世界に実力やポテンシャルをアピールして、新シーズンはより高いレベルで戦うきっかけをつかみたいところ。強豪国が「何年も前に経験している」状態を状態を脱し、日本がさらに強くなるためには久保の進化が不可欠だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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