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旗手怜央が「ワクワク」していたアセンシオとの対峙が実現。ピッチで何を感じ、何を得た?

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

旗手怜央
【写真:田中伸弥】


 キリンチャレンジカップ2021が17日に行われ、U-24日本代表はU-24スペイン代表と対戦して1-1で引き分けた。

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 東京五輪直前に優勝候補の一角と対戦できることとなり、選手たちのモチベーションは非常に高かった。

 左サイドバックとして出場する可能性が高かったDF旗手怜央は「対戦相手がどこであろうと僕自身は試合ができることが毎回楽しみで、ましてやそれが優勝候補のスペイン代表、自分自身オリンピック前に試せる場でもあると思います。オリンピックが終わった後の人生を考えてもすごく大事な一戦になる。僕の持っている力を全て出して挑みたいなと思います」と闘志を燃やしていた。

 対面するのはレアル・マドリードでプレーするFWマルコ・アセンシオではないか。旗手も「マッチアップする選手がもしかしたら世界のトップレベルの選手と考えるとワクワクする」と高揚感を隠さない。

 そのうえで「個では止められないと思います。僕自身、守備に特化した選手ではないので」と、実際にピッチに立った時のイメージも膨らませていた。

「サッカーは11人でするもの。左サイドバックで出るなら左サイドハーフや左のセンターハーフの選手と協力しつつ、マッチアップする選手を自由にさせないような守備ができるように声をかけて、相手に時間を使わせるような守備ができれば止められるかもしれないと思っています。僕個人で1対1を止められる場面も出てくると思いますけど、そういう場面をなるべく出させないように周りと連係しつつ、自分たちが優位に立てる守備をしたいです」

 試合当日、スターティングメンバーのリストに旗手の名前があった。ピッチ上では左サイドバックのポジションに入り、対面するスペインの右ウィングには予想通りアセンシオが。後半の68分までワールドクラスのアタッカーとの対決が実現した。

 では、実際に対峙してみてどんな感覚を得たのだろうか。「僕自身はやっぱり1対1で勝負させられるとスピードだったり体格だったりで劣る部分はあるので、まずボールを自由に持たせないとか、ボールを持つ前にプレスをかけるというのを心がけてトライしました」と語る旗手は次のように試合を振り返った。

「僕1人で対峙したアセンシオ選手を抑えるわけではなくて、前のサイドハーフの相馬(勇紀)選手だったり、ボランチの板倉(滉)選手、センターバックの冨安(健洋)選手にうまく声をかけて、4人で封じ込めた部分もある。僕1人だったらたぶん抑えきれなかっただろうし、みんなの協力があって抑えられた。そこは本当にみんなのおかげかなと思っています」

 スペインは序盤からボールを支配し、ディフェンスラインや中盤の選手がどんどん前線に縦パスを入れてきた。しかし、日本の選手たちも粘り強い組織的な守備で対抗。旗手のサイドが大きな破綻をきたすことなく、アセンシオにもビッグチャンスをほとんど作らせなかった。

 それでもスペインの印象を「やっぱりオーラというか、トップレベルでやっているだけあって、ボールを動かすときにすごい怖さもありました」と旗手は語る。そして「結果は引き分けましたけど、やられることもすごく多くて、課題も出る試合だったので、本当にすごく難しい試合でした」と続けた。

「まだまだサイドバックとしてやるべきことはたくさんあると思うので、今日の試合に満足せず、もっともっとできるようにやっていきたいと思います」

 本職は攻撃的なポジションながら、所属クラブでも代表でも左サイドバックとして経験を積むにつれ、DFとしてどんどんたくましくなっている旗手。東京五輪ではスペイン戦で得た収穫と課題を生かし、さらに進化した姿が見られるかもしれない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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