フットボールチャンネル

久保建英は東京五輪の”主役”になれる!U-24日本代表を救った左足…初戦で見せた成長の証とは?【東京五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
【写真:Getty Images】



 東京五輪(東京オリンピック)2020男子サッカー競技グループA第1節、U-24日本代表対U-24南アフリカが22日に行われた。試合は1-0で日本が勝利した。日本を救ったのは、やはり日本の”至宝”久保建英だった。

【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 トップ下でプレーした久保は、同じく2列目で先発した堂安律や三好康児と見事な連携を見せ流動的にポジションチェンジを繰り返した。久保は中央のみならず、右に左にと顔を出していた。久保はパスやドリブルで日本の攻撃陣を牽引した。

 前半15分、久保が惜しいシーンを作る。左サイドバックの中山雄太がオーバーラップからクロスを供給。ボールは林大地の頭上を越え、ファーサイドの久保のもとへ。コントロールから左足でシュートを放つが、惜しくもゴールとはならなかった。

 その後も久保は堂安や三好らとともに見事な連係をみせ、南アフリカゴールに迫るシーンが増える。前半22分には左サイドを抜け出した久保が中央にクロスを供給。三好が飛び込むが、惜しくも合わなかった。後半に入っても、久保の勢いは衰えず。50分には堂安とのワンツーから左足シュート。これは惜しくもゴール右に外れた。

 次々とチャンスを作り、日本の攻撃を牽引する久保だが、中々ゴールを奪うことができず。待望のゴールが生まれたのは71分だった。田中碧からのパスを受けた久保がペナルティエリア右で仕掛ける。カットインから左足でシュートを放つと、ファーサイドに飛んだボールは左ポストを叩きゴールに吸い込まれた。

 このゴールは圧巻だった。久保は1点が欲しい状況で落ち着いてドリブルを仕掛ける。そして、得意の左足でファーサイドにシュート。これはまさに久保が得意としているプレーだろう。このゴールを決める前も、右サイドから左足で何度も狙っていた。さらにシュートのバリエーションを変えており、ファーサイドとニアサイドへのシュートを使い分けていた。スペイン『アス』が久保のこのゴールについて「クボは彼の伝説的なプレーにちょっとしたオマージュを捧げたかのようだった」と例えた通り、先日引退を発表したアリエン・ロッベンを彷彿とさせるゴールだった。

 久保の攻撃に目が行きがちだが、注目したいのは守備だ。前半32分に久保は高い位置で相手からボールを奪い、久保のパスを起点に林のシュートまで持ち込んだ。攻撃の中心となれる選手が、献身的に守備をこなせることはチームにとっても非常にプラスだ。

 久保は今季前半戦はビジャレアル、後半戦はヘタフェでプレー。ともに守備に重きを置く監督のもとでプレーした。そのため自身の特徴である攻撃ではなく、今季は守備面での成長も大きかっただろう。久保の攻撃力はスペインでも高いレベルにある。しかし守備面の低さが露呈し、批判されたこともあった。だが、ここまでのプレーを見ると今季の悔しさをバネに久保は着実に成長している。しばらくA代表でプレーしていたが、この世代に合流してすぐに馴染んだ。どの選手とプレーしても、自身の実力を発揮し見事な連係を見せることができるのは、トッププレイヤーとしての証かもしれない。

 プレーを見ても分かる通り、久保は母国開催の五輪で主役となれる存在だ。日本の”至宝”に注目したい。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top