フットボールチャンネル

FWの“3番手”から五輪開幕戦でスタメンに。林大地が感じる「背中を押してくれた」森保一監督からの信頼【東京五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

林大地
【写真:Getty Images】


 U-24日本代表は22日、東京五輪のグループステージ初戦に臨み、U-24南アフリカ代表を1-0で下した。

【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 日本の先発メンバーで4-2-3-1の最前線1トップに入ったのは、FW林大地だった。

 もともと林はバックアップメンバーで招集され、当初のルール18人本大会登録メンバーに負傷離脱者などが出ない限りベンチ入りの機会すら得られない立ち位置だった。つまりU-24日本代表メンバーに選ばれていたFWの上田綺世や前田大然に続く「3番手」ということだ。

 しかし、事前合宿前に上田が負傷し、前田も脳しんとうの影響で全体練習への合流が遅れた。その間に林は懸命にアピールし、今月12日のU-24ホンジュラス代表戦と同17日のU-24スペイン代表戦で2試合連続の先発出場。

 南アフリカ戦直前には「バックアップという立場からメンバーが22人に変わって、そこから2試合、本大会が始まるギリギリまで自分をアピールできるチャンスがあったと思います」と準備期間の充実ぶりについて語っていた

 そして迎えた東京五輪本番。上田や前田が復帰しているなかで、林は初戦となった南アフリカ戦の先発に抜てきされた。

「やっぱり選手として試合に使ってもらうのはすごく幸せなことだし、母国で、この代表のシャツを着て、五輪に出られるのは普通のことではない。それなりの大きな責任があると思うので、バックアップメンバーだから、(本登録メンバーに)選ばれたからどうこう関係なく、今日も森保監督が力強く背中を押してくれたので、その期待には応えようと思っていました」

 ゴールこそ奪えなかったものの、前線で体を張って奮闘。五輪の大舞台に過度な緊張はなく「勇気を持って、果敢に、勇敢にプレーしよう」と後押ししてくれた森保監督の信頼に応えるべく、「一番はチームのために走って、プラスアルファで個人の結果、得点やアシストをできたら」という思いで上田と交代する72分まで懸命に走り回った。

 U-24日本代表に初めて加わったのは今年3月で、しかも追加招集でのメンバー入りだった。そこからU-24アルゼンチン代表戦でゴールを奪うなど猛アピールを重ね、東京五輪の初戦で先発するまでに。指揮官から頼られて自信を深めているだけでなく、チームメイトたちとの信頼関係も熟成されてきている。

「すごく力強い、頼りになる仲間が、今は自分に自信を与えてくれています。多少むちゃくちゃなボールを出してもうまいことやってくれますし、わがままな動きをしてもそれに合わせてボールを出してくれたりしますし、そういった部分ですごく仲間に信頼がある。一緒に戦っているメンバーに自信があるので、それがすごい自分の自信というか、自分も『もっとやらないといけないな』という気持ちにさせてくれています」

 林は東京五輪に出場することで、大化けのきっかけをつかもうとしているかもしれない。南アフリカ戦はノーゴールに終わったが、25日のU-24メキシコ代表戦に向けて「次も最高の準備をして、一戦一戦しっかり戦うこと。強豪と言われる国を倒さないと上にはいけないので、しっかり次も叩きたいなと思います」と強い意気込みも口にしていた。

 泥臭くファイトし、貪欲にゴールへ突き進む“ビースト”の勢いはとどまることを知らない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top