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林穂之香、なでしこジャパンの大一番で先発に抜てき! 「出し惜しみなく、最初から飛ばして」高まる責任感【東京五輪】

text by 編集部 photo by JMPA

林穂之香
【写真:JMPA代表撮影】


 サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は24日、東京五輪のグループステージ第2節でイギリス女子代表に0-1の敗戦を喫した。

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 開幕戦でカナダ女子代表と引き分けていた日本は、グループステージ突破を確実にするためにイギリス戦で勝利を欲していた。しかし、結果的には0-1というスコア以上の実力差を見せつけられて敗れ、決勝トーナメント進出に黄信号が灯ってしまった。

 とはいえ収穫がなかったわけではない。イギリス戦で今大会初先発を果たしたMF林穂之香のパフォーマンスは今後への期待を感じさせた。もともとバックアップメンバーとして選出されていたが、2戦目で先発メンバーに抜てきされると躍動感あふれるプレーで存在感を発揮。体格で勝る相手にも勇敢に立ち向かっていき、中盤にエナジーを注入した。

「まず出し惜しみなく、最初から飛ばして、1対1のところだったり、積極的に前に関わっていく、消極的にならずに(持ち味を)出していこうと思っていました」

「2列目からの飛び出しでボランチがゴールを狙っていくというのは、ずっと前から自分の持ち味でもあると思うので、連係・連動は積極的にやっていこうと思って最初から臨みました」

 その言葉通り、チャンスがあると見るやどんどん前線まで飛び出し、惜しいミドルシュートも放った。常にピッチを全力で駆け回った林は67分に交代を告げられるまで、なでしこジャパンの数少ない希望となっていた。

「22人で戦う総力戦になるというのは、最初に監督からも話があってわかっていたので、自分が選ばれてスタメンになったときには、日本の勝利に貢献できるプレーを絶対にしたい。気持ちのこもったプレーをしなければいけない」

 強い気持ちは間違いなくプレーに反映されていた。試合をイギリスに支配されても粘り強く守って耐えて、終盤までは0-0のまま推移ししてただけに、林が交代した7分後に喫した失点は痛恨だった。「今日の試合は全員で勝ち点3を目指していたので、すごく悔しい」となでしこジャパンの背番号20は唇を噛む。

 だが、戦いが終わったわけではない。自力でのグループ2位以上は消滅したものの、現状1分1敗でも十分に決勝トーナメント進出の希望は残されている。グループステージ最終節のチリ女子代表戦に勝利すれば、他会場の結果しだいでグループ2位での突破、あるいはグループ3位でも次のステージに進める可能性がある。

 林も「これ(1敗)で崩れて、下を向いて、次の試合で全然良くないのは絶対にいけない。ここで切り替えて、まだグループステージを突破できるチャンスがあるので、そこに向けてもう1回やっていこうと思います」と気を引き締め直していた。

「自分が点を取るとか、もっとチームを動かしていくとか、そういう部分をもっと出していかないといけないと、さらに感じました。出ているメンバーは『自分が決めてやる』と思わなければいけない。次の試合でも『自分がやってやる』という気持ちを持っていきたいです」

 強い思いの乗った林のプレーからは、何とか状況を打開してチームを勝たせるんだという気迫が感じられた。チリ戦まで中2日と準備時間は限られているが、血気盛んな若手の貴重なエナジーと勝利への意欲を無駄にするわけにはいかない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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