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東京五輪 3年前

U-24フランス代表の守備はプロレベルにない。このまま一体感が欠ければ…U-24日本代表の敗戦は考えにくい?【分析コラム/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

東京五輪(東京オリンピック)・男子サッカーのグループリーグA第2節、U-24フランス代表対U-24南アフリカ代表が25日に行われ、4-3でフランスが勝利。決勝トーナメント行きの可能性を残した。しかし、やはり内容に関しては不安だらけ。とくに守備は、プロのレベルにはなかった。(文:本田千尋)

あまりにも緩すぎた守備

U-24フランス代表
【写真:Getty Images】

“一体感”はなかった。25日に行われた東京五輪(東京オリンピック)・男子サッカーのグループリーグA第2戦。U-24メキシコ代表に粉砕されて後がないU-24フランス代表は、U-24南アフリカ代表を相手に4-3と劇的なシーソーゲームを展開。しかし試合の中身は、力が拮抗したチーム同士が死力を尽くして派手な打ち合いを演じた、といったような内容ではなかった。やはりU-24フランス代表には、どうしても大会に対するモチベーションを疑わざるを得ないところがあり、守備面での強度の緩さが、次から次へと失点を招いていった。

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 例えば、53分の1失点目。中盤の底から出た低い弾道のロングフィードに対するクレマン・ミシェランの対応は、あまりに緩かった。カットしたボールの処理がなおざりで、コバメロ・コディサンに悠々とかっさらわれてシュートを許し、失点を招いてしまう。このU-24フランス代表の右サイドバックのずさんな守備は、クラブレベルの公式戦であれば、一発でポジションを失って何らおかしくないような対応だった。監督によっては、前半だけで交代させていただろう。

 同様に、72分の2失点目も、81分の3失点目も、モチベーションを疑わざるを得ない守備対応。72分の場面は、右から悠々とクロスを許し、ニアサイドでエビデンス・マクゴパにフリーで合わせられて失点。81分の場面は、ボックスの手前でセカンドボールを拾い切れず、テボホ・モコエナにフリーでミドルシュートを許して失点。特に3失点目の場面では、ボールを失った時の組織的な守備も徹底されていなかった。

 このように失点を重ねるU-24南アフリカ代表戦でのU-24フランス代表の守備陣に、“強度”という言葉は存在しなかった。百歩譲って、シルヴァン・リポル監督にとって満足のいくメンバーを招集することが出来ず、守備面でのチーム戦術を構築する時間がなかったのかもしれないし、日本の真夏の環境への適応が難しいのかもしれないが、それにしても失点の仕方がユースのそれで、プロのレベルではなかった。

 しかし、このU-24フランス代表の守備陣の意欲の低さが、そのままチームとしてのモチベーションに繋がっているかというと、そうとも言い切れない。

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