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U-24日本代表、「よく戦った」だけでは片づけられない問題。久保建英だけが目立っているデータとは【東京五輪男子サッカー】

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



【U-24日本 0-1 U-24スペイン 東京五輪・準決勝】

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 東京五輪(東京オリンピック)・男子サッカーの準決勝、U-24日本代表対U-24スペイン代表が3日に埼玉スタジアムで行われた。

 今大会の金メダル候補筆頭国とも言われる相手に、日本は粘り強さを発揮した。長い時間ボールを支配され苦しい時間帯もあったが、集中力を高く保ち、スペインには簡単にリードを与えない。ゲームの終盤には相手にも疲労の色が見え始め、押し込むこともできていた。

 しかし、延長後半の途中出場マルコ・アセンシオの一発に沈んでしまった。この結果、日本は3位決定戦へ回ることに。金メダルの目標は潰えた。

 U-24日本代表はよく戦った。遠藤航、田中碧のダブルボランチはさすがに疲れの影響を感じさせていたが、最後まで奮闘。最終ラインの選手も身体を張り続け、GK谷晃生はファインセーブを連発している。守備は通用していた。

 しかし、「よく戦った」だけでは片づけられない問題もある。データサイト『Opta』によると、日本がスペインに対し放った枠内シュートはわずか1本(総シュート数は11本)。これは、今大会の日本における最少の数字だ。また、前半に関しては枠内シュート0本だったが、これは準々決勝U-24ニュージーランド代表戦に引き続き2回目のことだったという。

 また、データサイト『Sofa score』による今大会の枠内シュート数ランキングを見ると、ベスト4進出国(スペイン、ブラジル、メキシコ、日本)の中でトップ10に二人以上名を連ねていないのは日本だけとなっている。唯一10位以内に入ったのは久保建英(8本)のみで、その次は途中出場が基本となっている上田綺世である(4本)。当然、良い成績とは言えない。

 さらに、チームとしての枠内シュート数はここまで22本あるが、これはベスト4進出国の中で最低の数字。ベスト8で姿を消したU-24韓国代表よりも少ない数字である。ここは決して見逃せない課題だ。

 U-24ニュージーランド代表戦、U-24スペイン代表戦ともに難しい試合であったことは間違いないが、チャンスが全くなかったわけではない。そこを仕留めきれなかったのは日本の甘さであり、世界との大きな差でもある。それは、途中出場ながら見事なシュートを突き刺したアセンシオが証明したと言える。

 枠内シュートが多ければ良いという問題でもないが、当然枠内にシュートが飛ばなければ点は生まれない。今に始まったことではないが、守備の奮闘だけでは勝てないという現実を、U-24日本代表は準決勝で突きつけられた。ここ2試合、攻撃陣がチームを助けることができていないが、3位決定戦では果たして。

【了】

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