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久保建英のプレーに表れていた“野心”とは…。ゴールは時間の問題、指揮官の要求もクリア【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

野心的だったプレー



 前節の試合後、久保について指揮官は「もっと敵陣に入り込み、もっと深く、より高い位置にたどり着かなければならない」と述べた。エスパニョール戦の久保は早速、指揮官の要求に応えている。前節よりもゴールに対して野心的で、相手にとっても危険な存在になっていた。

 前節で久保は少し低い位置でボールを受ける場面が多かったが、この日はより高い位置でプレーすることができた。セビージャが攻撃を組み立てられるので、久保はライン間での駆け引きにある程度力を注ぐことができる。3本のシュートを記録したというのは、こういった変化が影響している。

 この日はボランチのイドリス・ババが絶好調で、ピンチの芽を摘むボール奪取を連発していた。久保も右サイドでスペースを埋めるだけでなく、対人守備でもまったく劣っていなかった。フィジカルコンタクトを苦にしなくなった久保のプレーに、19/20シーズンに指導した敵将も驚いたのではないだろうか。

 久保はチームで重要な役割を担っている。残すところはアシストやゴールといった結果を待つのみ。マジョルカがこの試合のようなパフォーマンスを見せていれば、それも時間の問題だろう。

(文:加藤健一)

【了】

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