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バルセロナの“つまらない“ウノ・ゼロ…。戦術の中心は…定まらない課題とは?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

「守備は完璧でした」



 試合後、クーマン監督が言うようにこの試合に勝利した最大の要因は、強固な守備と言えるだろう。特に中盤の守備は90分通して強度が落ちることはなかった。

 サイドを起点に中央の選手とのワンツーやクロスを上げるバルセロナに対し、ディナモ・キエフは守備時に4-4-2にフォーメーションを変更。最終ラインと2列目が近い距離を保ってバイタルエリアを消し、中央を固めてきた。

 バルセロナはこの守備に苦戦し、ペナルティーエリア付近でボールを奪われる場面が多かったが、前線のボールロスト後はフレンキー・デ・ヨングとセルヒオ・ブスケツがすぐにプレスをかける。相手の後方から強く当たったため、ファールも多く取られたが、終始カウンターの起点を潰していた。

 ガビも相手陣内で何度もインターセプトするなど、試合を通して傑出していたのは中盤の守備だが、この日のバルセロナはチーム全体の攻守の切り替えが早く、DFラインも安定していた。

 事実、データサイト『Who Scored』よると、試合を通して相手に許したシュートは3本のみ。その内、枠内シュートは無く、コーナーキックも0本と相手の攻撃を完封した。

 それでもどこか不安を感じる試合だったのは、バルセロナがウノ・ゼロ(1-0)で勝利するチームではないからだろう。

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