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バルセロナの“つまらない“ウノ・ゼロ…。戦術の中心は…定まらない課題とは?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

残る課題は…



 守備は改善されつつある。チーム全体の意識も変わり、良い方向へ進んでいる。しかし、攻撃面はどうだろうか。

 「私は試合に満足しているが、結果には満足していない。我々が非常に優れ、多くの決定機を作ったときは得点する必要がある。今日の結果は3、4対0になるはずだった」

 試合後、クーマン監督がこう語ったように、この日のバルセロナはシュートまで至らない場面でも多くのチャンスを作っていた。結果的に11本のシュートを放つも、枠内を捉えたのは3本。決めきったのは1得点のみと、最後の場面で精彩を欠いていた。

 これまでは、リオネル・メッシやルイス・スアレスといったワールドクラスのストライカーがいた。苦しい状況でも、ある程度チームが精度を欠いていても、個の力でゴールを決めてくれていた。だが、現状は違う。

 アンス・ファティやメンフィス・デパイ、セルヒオ・アグエロと言ったタレントはいるが、絶対的な存在ではないため、チーム全体で得点を奪う必要がある。しかし、未だ戦術の中心となる選手や攻撃の型が定まっていないようにも見える。

 難しい状況が続くバルセロナだが、この課題を改善できなければチームはさらに沈んでいく。早期解決が求められるが、クーマン監督はどんな答えを見出すのだろうか。

(文:阿部勝教)

【了】

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