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“強すぎる“リバプール、南野拓実の序列は…。アトレティコを圧倒、その中で成功したアピールポイントとは?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

アトレティコ守備陣を圧倒したリバプールの右サイド


 前回対戦でもカギを握ったリバプールの右サイドとアトレティコの左サイドの攻防。この試合に関してはリバプールが圧倒した。

 ゴールこそ決められなかったがエースのモハメド・サラーは圧巻のプレーを連発した。データサイト『Sofa Score』によると、両チーム合わせて最多となる6回のドリブル突破に成功。対峙したアトレティコDFマリオ・エルモソを手玉に取るシーンは何度も見られ、多くのチャンスを作り出していた。

 2アシストを記録したアレクサンダー=アーノルドのプレーも見事だった。前回対戦では、苦手としている1対1の対応で守備時に後手を踏んでいたが、この試合は終始アトレティコ陣内に押し込んでいたこともあり、守備の脆さは前半にヤニック・カラスコに突破を許したシーン以外は見られなかった。

 ゴールを演出した2つのクロスは、高い精度はもちろん、上げるタイミングも完璧だった。1つ目はダイレクト、2つ目もトラップをしてからすぐにシュート性の高速クロスを上げており、どちらもアトレティコ守備陣が準備できていないタイミングでのプレー選択だった。

 そして右のインサイドハーフに入ったジョーダン・ヘンダーソンのプレーも効いていた。直近までファビーニョが負傷離脱しており、ヘンダーソンは代わりに本職ではないアンカーのポジションに入ることが多かった。

 久々に本職での起用となったヘンダーソンは、右サイドで効果的にビルドアップに絡んだ。ゴールが生まれた2つの場面では、どちらも相手選手を自身に引きつけたタイミングでアレクサンダー=アーノルドにパスを出しており、フリーでクロスを上げさせることに大きく関与していた。

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