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リバプール、今季初黒星はなぜ起きた? 世界的CBの“怒り”が意味したもの、浮かび上がった弱点とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

ファン・ダイクが語った問題点



 その強固なブロックに対して、リバプールはアトレティコ戦のようにライン間へパスを通すことができず、ハイテンポで攻撃を仕掛けることができなかった。

 19分には右サイドにおいてダイレクトプレーで連動性を発揮できず、24分には、ファビーニョからのボールをトレント・アレクサンダー=アーノルドがダイレクトで縦に入れたが、パスがズレてライン間でディオゴ・ジョタに通らなかった。そして29分にはデクラン・ライスに奪われてカウンターを喰らう。この場面でもカウンタープレスがイマイチ機能せず、決定機こそ招かなかったものの、スルスルとゴール前までボールを運ばれてしまう。

 もっとも、試合後にファン・ダイクは「前半は何も悪くなかった」と振り返っている。オランダ代表CBはさらに、次のようなコメントを残した。

「僕たちはウェストハムのラインの間にスペースを見つけようとしたけど、明らかに彼らは上手く守った。 僕たちは辛抱しなければならなかったが、それに値する同点ゴールを決めた。僕の意見では、それから後半に入って、おそらく僕たちは少し急ぎ過ぎたね。早くスコアを2-1にしようとし過ぎた。明らかにウェストハムは前に選手を残してカウンターアタックに賭けていて、それは明らかに彼らの強みで、それからはかなりオープンなゲームだった」

 ウェストハムの強固な守備ブロックに手こずったものの、前半が終わろうとする41分にアレクサンダー=アーノルドが直接フリーキックを決めて同点に追い付いたことで、ファン・ダイクは「前半は何も悪くなかった」と振り返ったのだろう。

 しかし、“カウンタープレスがイマイチ機能しない”という課題は、後半に入っても引きずったままだった。

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