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迫られる決断。C・ロナウドかラングニックか…。マンチェスター・ユナイテッドは改善されつつあるが…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

改善されない課題とは…



 前線からの連動したハイプレスや安定した引いた守りなど、スールシャール監督の退任以降、守備面は改善されつつある。しかし、まだまだ問題が残るのはやはり攻撃面だ。

 ポール・ポグバやルーク・ショーといったチャンスメイカーを怪我で欠いていたこともあるが、この日のマンチェスター・ユナイテッドは単純なパスミスも多く、全体の攻守の切り替えも遅かった。

 戦術的な決まりがあったのかもしれないが、自陣でボールを奪っても前線に走るのは2トップとブルーノ・フェルナンデスのみ。ボールホルダーへのフォローは遅く、両サイドバッグのオーバーラップもほとんどなかった。

 そのため敵陣で数的優位を作れず、相手DFに詰められてパスをミスするか、苦し紛れに裏にボールを蹴ることに終始していた。

 先制時のようなカウンターを狙っていたのなら、引いた守りで相手を釣り、ボール奪取後はラッシュフォードやサンチョのスピードを活かして相手DFの裏を狙うべきだった。しかし、それを行ったのは、41分のサンチョが抜け出した場面と先制時のみ。不用意に自陣でパスを繋ぎ、中途半端な攻撃で相手に奪われる場面が目立っていた。

 これまでも簡単にゴール前までボールを運ぶが、最後の局面で手詰まりになり、引いた相手を崩せずに得点できない場面は多々見られた。であれば、今回のように引いた守りで自陣に相手を引き付け、ボールを奪取してから瞬時にロングカウンターを狙うのが最適解だった。

 サンチョやラッシュフォード、アントニー・マルシャルなどスピードがあり、個の能力で局面を打開できる選手は揃っている。現状であれば得点までの過程にこだわらず、数本のパスと個の能力を活かして得点を奪う方が現実的と言えるだろう。

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