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バルセロナはとことん舐められていた。バイエルン戦に続く屈辱、もはや恐れられる存在ではない【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

試合内容が改善されたとは言えない



 こうして“屈辱”にまみれたままオサスナ戦を2-2のドローで終えたバルセロナは、公式戦3戦勝利なしとなった。怪我人が続出しているとはいえ、もはやリーガの中堅クラスと同等――。そう思われても仕方がないオサスナ戦の結果を見た他のクラブも、もうかつてのようにはこちらを恐れてこないだろう。

 もちろんクーマン監督が率いていた頃からそうした傾向はあったが、指揮官がシャビに代わっても、カンプ・ノウの雰囲気を除けば試合内容が改善されたとは言えず、バルセロナは、これからも舌なめずりしながら襲い掛かってくる“かつての格下”に苦しめられることになりそうだ。

 クラブの財政状況も踏まえれば、冬に新戦力の獲得は容易ではなく、この劣勢を覆していくのは、誰が監督でも簡単ではないだろう。シャビ監督としては、まずはカタールリーグでは体感できなかった敵の“強度”に慣れ、チームがミュラーに指摘された“弱点”を克服することが、次の一勝を掴む一歩になるのではないか。

 そして対戦相手の「インテンシティだけ」でなく、選手同士の距離感を含めたチームとしての“強度”も高められなければ、来季はELはおろか、初のカンファレンスリーグ(UCL)参戦の憂き目にあってしまうかもしれない。

(文:本田千尋)

【了】

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