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怪物から怪物へ…フランス代表、歴代10番の英雄5人。プラティニ、ジダン、そして…歴史に名を刻む男たち

text by 編集部 photo by Getty Images

ジネディーヌ・ジダン

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【写真:Getty Images】



MF:ジネディーヌ・ジダン(フランス代表/ユベントス)
生年月日1972年6月23日(当時25歳)
97/98シーズンリーグ戦成績:32試合7得点
フランス代表主な出場大会:UEFA EURO ’96、1998年FIFAワールドカップ・フランス大会、UEFA EURO2000、2002年FIFAワールドカップ日韓大会、UEFA EURO2004、2006年FIFAワールドカップ・ドイツ大会(全て背番号10)

プラティニはサッカー史に名を刻む偉大な選手だが、「フランス代表の背番号10=プラティニ」かというとそうではない。それは、この男の存在があるからだ。

バレエにも例えられた鮮やかなステップでゲームを支配する姿は唯一無二であり、優れたボディバランスと卓越したボールコントロールによってサッカー史上最高の選手と称えられている。得点数など目に見える形で爆発的な数字を残すわけではないが、ピッチ上での存在感は別格。06年ドイツW杯のフランス代表のように凡庸なチームを優勝候補にまで引き上げるほどの影響力を持っていた。

基本データの対象としたのは、1997/98シーズンのもの。自国開催の98年フランスW杯で優勝に貢献し、バロンドールとFIFA最優秀選手のW受賞を果たしたシーズンだ。

最高評価となったのは、プラティニ同様に「テクニック」であり、数値はプラティニの96を超える99と最高値を記録した。ボールコントロールは究極とも言える次元にあり、レアル・マドリーの一員として出場した01/02シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝ではサッカー史上最も美しいと言われるボレーシュートを決めている。

また、代名詞ともいえる“ルーレット”で相手守備網を難なくかわすなど「ドリブル」の数値は97、数多くのゴールを演出し、息をのむほどの精度を誇る「パス」は96とどちらも驚異的な評価となった。

そして、ジダンが史上最高と評される理由はここから。テクニカルな選手ながら「フィジカル」が強く、守備時にはセントラルMFとしても機能する「守備力」を持ち、フランスW杯決勝のブラジル戦で2得点をあげるなど「空中戦」も強力であり、ピッチ全体を支配する「IQ」の高さとチームを変貌させる「メンタリティ」を持っていた。

まさに完全無欠。現役最終戦となったドイツW杯決勝イタリア戦での頭突き事件も今となっては伝説の一つとなっている。

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