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なぜアーセナルは苦戦? 冨安健洋は欠場、2022年は未勝利。アルテタ監督が「複雑」と語る問題とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

新エースの獲得は必須



 この日のアーセナルは、確かにバーンリーを圧倒していた。

 データサイト『WhoScored.com』によると、ボール保持率は76%を記録。シュート本数はバーンリーの10本に対して倍の20本、さらにコーナーキックも3倍の12本と多くのチャンスを作っていた。

 しかし、その中で枠に飛んだシュートはわずか5本。8本がゴールの枠を外れ、残り7本はゴール前を固めていた相手DFにブロックされていた。

 前述した決定機を逃したようにこの日は運がなかったこともあるが、多くの場面では精彩を欠いていた。

 試合後ミケル・アルテタ監督も「我々は最後の20mとボックス内で試合に勝つために十分なクオリティを見せられなかった」と話している。

 相手の守備を崩せなかったのはチームとしての問題だが、最後の局面ではやはりFWの力量によるところもあるだろう。

 その点で言えば、絶対的エースと呼べる存在がいないアーセナルはFWの補強が急務だ。

 この試合に1トップで起用されたラカゼットは今シーズンいっぱいで契約満了。ピエール=エメリク・オーバメヤンも退団が噂されている。プレミアリーグでトップ4に入るには、絶対的エースとなる存在が必要不可欠だ。

 その補強についてアルテタ監督は「それは複雑です。我々を助け、次のレベルに引き上げてくれる選手と正しい決定を下す必要がある」と話している。

 冬の移籍市場が閉まる1月31日までまだ時間はあるが、復活を目指すイングランドの名門は新たなエースとなる選手を獲得することが出来るだろうか。

(文:阿部勝教)

【了】

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