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岩渕真奈、日韓戦で新型コロナから復帰へ。なでしこジャパンに起爆剤…主将・熊谷紗希「何としても1位で抜けたい」

text by 編集部 photo by Getty Images

岩渕真奈
【写真:Getty Images】



 インドで開催中のAFC女子アジアカップに参加しているサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)に朗報が舞い込んだ。

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 現地でチームに合流する直前、インド入国時の検査で新型コロナウイルス陽性と判定され、隔離されていたFW岩渕真奈に復帰の許可が下りたのである。同選手は現地24日朝に行われた検査で陰性が確認され、25日からなでしこジャパンに合流できることとなった。

 すでに2連勝でグループステージ突破を決めているなでしこジャパンだが、3戦目の相手は韓国女子代表。絶対に負けられない日韓戦であるばかりか、グループ1位突破か2位突破では決勝への道のりの難しさが大きく変わってくるため、極めて重要な一戦になる。

 グループステージ初戦の前日記者会見で岩渕の不在について問われたDF熊谷紗希は「番辛いのは本人だと思うので、自分たちは真奈の思いも背負って、いない間もしっかりとトレーニングに励んでいますし、明日の試合もチーム全員で集中して取り組めているので、そこは特に問題ない。チーム全体でサッカーに集中できているので、大きな影響はないと思っています」と述べていた。

 その言葉通り、なでしこジャパンは初戦でミャンマー女子代表に7-0、第2戦でベトナム女子代表に3-0の快勝を収めて2連勝。エース岩渕の不在にも揺らぐことなく、安定した戦いぶりで決勝トーナメント進出を確定させた。

 しかし、課題がないわけではない。ミャンマー戦もベトナム戦も圧倒的に主導権を握り、20本以上のシュート放っていながら、ゴール数は物足りない。チャンスの数に対して外しているシュートがあまりに多く、特に流れの中での得点数がチャンスの数に対して控えめで、決定力不足を選手たちも自覚していた。

 熊谷は「前線にはいろいろな特徴を持った選手がいる中で、それぞれが自分の活き方、活かされ方を試合の中でもっともっと出していかなければいけない」と指摘する。さらに「もう少し2列目から(足を)振る回数が増えてもいいのかなと思うところもある。もうちょっとサイドを崩した方が相手は嫌だったんじゃないか」など、攻撃面の改善点は次々に挙がってきた。

 昨年11月のオランダ遠征でも得点力不足は課題になっていて、なかなか改善に至っていない。日韓戦から決勝トーナメントへ進むにつれて相手のレベルもどんどん上がっていくため、大会期間中に攻撃面の問題点を払拭しなければならない。そんな中、独力でゴール前に違いを生み出せる岩渕の復帰は朗報だ。

「真奈が帰って来たことは、私たちチームにとってもすごく嬉しいことです。韓国戦は本当に負けられない戦いだし、(グループを)1位と2位で抜けるのでは全然違った戦い方になっていくので、次に進むにあたっては何としても1位で抜けたいというところがあります。

(日韓戦は)これまでの2戦とは確実にレベルの違う相手と戦うことにはなりますけど、自分たちのできることといったら、本当に相手の分析と、それに向けたいい準備に尽きるかなと。とにかく真奈も含めた全員でいい準備ができることが嬉しいですし、試合に向かって全力で集中していきたいと思っています」

 コンディション面を考慮すると、いきなり日韓戦でフル稼働は厳しいかもしれない。だが熊谷も言うように、岩渕の復帰がチームにポジティブなエネルギーをもたらすのは間違いない。背番号10の帰還はなでしこジャパンがアジア3連覇を果たすための起爆剤だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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