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南野拓実はなぜ大活躍できた?リバプール加入以降「最高の試合」、攻撃の起点になっていた役割とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

南野が求められていた役割とは?


 南野がノリッジ戦で活躍できた理由はいくつか考えられるが、最大の要因となったのは右WGで先発起用されたことにあるだろう。先月に行われたFAカップ4回戦でも右WGで先発起用され、1ゴールを決めていた南野。今日の試合も1ヵ月前に行われた試合と同じような役割を求められていた。

 その役割とは中盤、もしくは最終ラインから縦パスを受けて攻撃の起点を作ることだった。大外に張って裏抜けを狙わず、南野は常にハーフスペース付近に顔を出して積極的にボールを引き出した。ボ-ルを受けてからは個人の力で縦に仕掛けるのではなく、自身を追い越す選手やサポートに来た選手へとパスを出す「リンクマン」として結果を残した。

 27分に生まれた先制点のシーンは、まさに南野がこの試合で担っていた役割がゴールへと結びついた形だった。

 イブラヒマ・コナテの縦パスを右サイドで受けた南野がサポートに来たジョーダン・ヘンダーソンにパスを出し、ヘンダーソンは左サイドへと展開。左SBのコスタス・ツィミカスが上げたクロスをペナルティエリア中央にいたディボック・オリギが収めて、最後はオリギが丁寧に落したパスを受けた南野が右足を振りぬいてゴールが決まった。

 縦パスをCBから引き出して起点となり、最後は自らフィニッシュ。これこそ今日の南野の活躍ぶりを表す場面だった。

 さらに南野は39分にはCKのこぼれ球を右足のボレーシュートでニア天井に叩き込み、この日2点目となるゴールを記録。今季公式戦9得点目となったこのゴールがチームをベスト8に導く決勝点となった。

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