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南野拓実はなぜ大活躍できた?リバプール加入以降「最高の試合」、攻撃の起点になっていた役割とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

「最強」リバプールに南野の居場所はあるのか


 クロップ監督が試合後に語った通り、今日の試合は南野にとってリバプール加入後ベストゲームだった。2ゴールを決めたことはもちろん、この試合で先発出場していたディオゴ・ジョタとオリギとは違う「ボールを引き出す上手さ」を見せることができていた。

 南野がいかにこの試合でボールを引き出していたか、ということがわかるデータがある。データサイト『Sofa Score』によると、ジョタ(84分に交代)は34回、オリギ(84分)は22回のボールタッチ数に留まっていた。

 それに対し南野(フル出場)は67回ものボールタッチ数を記録している。パス成功数も両選手の2倍以上を記録したことからも南野が積極的にボールに絡み、攻撃の起点となっていたことは明らかだ。

 南野がノリッジ戦でこれほどまで味方選手からボ-ルを引き出せたのは、良くも悪くもロベルト・フィールミーノが怪我により不在だったことが大きいだろう。昨年10月に30歳となったフィルミーノは直近の負傷離脱が多く、今季は既に3度怪我が原因で離脱している。

 従来のリバプールの右WGには怪我をしないモハメド・サラーという“王様”がいるため南野が同ポジションで出場することは困難だが、CFはどうだろうか。今季チーム2位の得点数を決めているジョタには得点力で劣るが、ボールを引き出せるリンクマンとして機能すれば、契約満了が23年夏に迫るフィルミーノの後釜という形で長く居場所を作ることができる可能性もあるだろう。そのためには、今後の過密日程の中で得た限られた出場機会で今日の試合のように結果を残す必要がある。(文:安洋一郎)

【了】

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