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なぜリバプール新加入FWはすぐにフィットできたのか? チームの不具合に終止符を打ったルイス・ディアスが持つ能力【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ルイス・ディアスは本当に変わる必要がなかった」



 CBジョエル・マティプからのロングボールに抜け出したコロンビア代表FWは、敵のGKと交錯しながら、ボールを頭でゴールに押し込む。

 貴重な先制点をもたらしたこのゴールでメンタル的に楽になったのか、リバプールの選手たちはいつものようなプレッシングとパスワークを取り戻す。クロップ監督は「自分たちが試合に入っていった瞬間から、我々は試合を良いやり方でコントロールした」と振り返ったが、その「瞬間」とは、まさにディアスが先制ゴールを決めた時、と言えるだろう。

 今冬にポルトから加入して以来、すんなりとチームにフィットしてフロントスリーの一角としてハイパフォーマンスを見せているディアスだが、このコロンビア代表FWの存在こそが、リバプールの“総合力”の象徴と言えるのではないか。

 ブライトン戦の後で、クロップ監督は、ディアスについて次のように評している。

「プレシーズンのようなものがない冬に、選手を連れてくるのはそんなに簡単ではない。しかし、ルイス(・ディアス)についてとても興味深かったのは、彼のポルトでのプレースタイルは、まさに我々がここで彼にプレーしてほしかったスタイルだったことだ。なので、彼は本当に変わる必要がなかった」

 ドイツ人指揮官は、ポルトガルからやってきた新参者について、「まだ幾つかの局面、特に守備面において適応する必要がある」と課題を指摘し、「全てのシュート技術の全てのレンジを見てしまったとは思わない」と改善できる余地があることを話しながら、スピードとドリブルの技術は「悪くない」、「彼は良い選手だ」と評価している。

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