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サッカーU-21日本代表の守護神争いは超ハイレベル! 東京五輪出場の逸材、世界的強豪でプレーする実力者も

text by 編集部 photo by Getty Images

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小久保玲央ブライアン 鈴木彩艶
【写真:Getty Images】



鈴木彩艶、小久保玲央ブライアンらがサッカーU-21日本代表招集

 日本サッカー協会(JFA)は17日、今月下旬に開催されるドバイカップU-23に向けたサッカーU-21日本代表メンバーを発表した。



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 今回の海外遠征はインターナショナル・マッチウィークと被っているため、海外組も招集することができる。「ぜひとも非常にレベルの高いメンバーで参加したい」という意向を持っていた大岩剛監督は、欧州でプレーする3選手をメンバーに含めた。

 そのうちの1人がポルトガルの強豪ベンフィカに籍を置くGK小久保玲央ブライアンだ。2019年に柏レイソルU-18からベンフィカへ移籍した小久保は、U-19チームから着実にステップを踏んできた。

 日本人GKとしては希少な海外組だが、決して小久保にレギュラーポジションが約束されているわけではないのがパリ五輪世代のすごさである。今月上旬に行われたU-21日本代表の短期合宿では、ベガルタ仙台の小畑裕馬、鹿島アントラーズの山田大樹、柏レイソルの佐々木雅士、浦和レッズの鈴木彩艶と4人のGKが招集されてしのぎを削った。

 そしてドバイカップに向けて鈴木と佐々木が生き残り、小久保が新たに加わったことになる。鈴木も佐々木もJ1リーグ戦出場経験を持ち、招集外となったGKの中にもJ2のいわてグルージャ盛岡で主力を張る野澤大志ブランドンなど逸材がひしめく。

 彼らの中で随一の国際経験を持っているのは、鈴木だろう。2017年に当時15歳でU-17ワールドカップに帯同し、2019年には正守護神として同大会を経験した。また、2019年にはU-20ワールドカップに出場するU-20日本代表メンバーに選ばれ、2021年には東京五輪での最終メンバー入りも果たした。

 2021年に浦和レッズでプロとなった鈴木はYBCルヴァンカップでニューヒーロー賞を受賞。元日本代表GK西川周作から定位置奪取とはならなかったが、その悔しさを胸に「やっぱり今の自分は試合に飢えているので、とにかく試合に出たい」と代表でのアピールに燃えているところだ。

 そして、東京五輪を経験した身として「パリ五輪に向けてスタートして、自分自身がチームを引っ張っていく存在でなければいけない。A代表に入ってからパリ五輪を目指すという高い目標を持ってやっている」と強い決意を語ってもいた。

 一方、海外組としてドバイカップに参戦する小久保も久しぶりの代表活動に意欲を燃やしているだろう。昨季まではベンフィカU-23(実質的なCチーム)の一員としてリザーブリーグを主戦場としていたが、今季は第3GKとしてトップチームの試合に帯同する機会も増えた。

 そして、継続してトップチームの練習などにも参加しながら、ポルトガル2部リーグを戦うBチームでも活躍している。今年1月にベンフィカBで初出場を飾ると、その後は6試合に出場して9失点という成績で、3位を走るチームを最後方から支えている。

 身長190cmという大柄な体格でありながら、小久保の伸びのあるセービングには年々磨きがかかっている印象だ。各国代表クラスが揃うトップチームに帯同する経験を通して、自信も深めているに違いない。

 大岩監督も「ブライアンに関しては私が見るチームでは初めての招集になるので、彼の海外での経験をしっかりチームに落とし込んでもらえれば」と語る。背番号1を託したことも小久保への期待の表れだろう。

「チームの中においてもGKは非常に特殊なポジションであり、裏返すとチームに欠かせないポジション。フィールドプレーヤーとの融合は試合を通じてしか得られないものがたくさんあるので、普段(国内組の)彼らは試合に出られていないかもしれないですけど、しっかりフィールドプレーヤーと戦術を共有する機会にしてほしいです」

 U-21日本代表は3月23日にドバイカップU-23の初戦でU-23クロアチア代表と、同26日にU-23カタール代表と対戦し、同29日に順位決定戦に臨む。招集されている小久保、鈴木、佐々木のGK3人を大岩監督がどのように起用していくかは未知数だが、パリ五輪に向けた過去に類を見ないハイレベルな競争が繰り広げられていくのは間違いない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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