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リバプールが“バルサ化”していた。マンUに圧勝の理由は? あの伝説的なチームと共通する原理原則【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

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プレミアリーグ第30節延期分、リバプール対マンチェスター・ユナイテッドが現地時間19日に行われた。試合は、ホームのリバプールが圧倒的に支配。最終的に4-0と、ビッグマッチとは思えぬ大差がつく格好になった。なぜ、リバプールはマンU相手にここまでの大勝を収めることができたのだろうか。(文:本田千尋)


圧倒的な力の差を示したリバプール

リバプール
【写真:Getty Images】

 リバプールが“バルサ化”した。

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 現地時間19日に行われたプレミアリーグ第30節延期分。リバプールはマンチェスター・ユナイテッドを4-0で一蹴した。それもスコアの上だけの大差ではない。アンフィールドにやってきた“赤い悪魔”を赤子のようにあしらい、90分間を通して内容でも圧倒――。イングランド初の4冠を視界に入れるレッズは、マンUの選手たちに何もさせなかった。試合後、ユルゲン・クロップ監督は「我々にとってパーフェクトな夜だった」とコメントを残している。

 “名ばかりのビッグマッチ”だった。もはやマンUに、リバプールと伍して戦うだけの力はなかった。レッズの選手たちは、後方からゆったりとビルドアップしてポゼッションを高め、たとえボールを失ったとしてもカウンタープレスが機能してすぐに回収。5分に悠々と繋いで右サイドを崩し、モハメド・サラーの折り返しをルイス・ディアスが右足で決めて先制すると、22分には、ダイレクトプレーで中央を崩してサラーが2点目をゲット。25分にはリバプールの支配率は76%にも達し、圧倒的優位に立って試合を進めた。

 その後も試合展開は変わらない。レッズがマンUにボールを奪われたとしても、引き締まった守備陣形で効果的な形を作らせず、フィニッシュまで持ち込まれることはなかった。60分の時点でもリバプールの支配率は76%を記録。圧倒的に保持し続けると、ボールを失っても余裕の対応を見せ、67分にはブロックを敷いてカウンターからサディオ・マネが3点目を決める。終盤の87分には、ハイプレスから敵陣でボールを奪い、ショートカウンターで急襲。最後はサラーがチップキックで4点目を奪い、“赤い悪魔”にトドメを刺した。

 プレミアリーグ公式HPによると、試合後のリバプールのスタッツは、支配率が71.6%、パス数が879、そしてタッチ数が1064。これらの数字は、かつてペップ・グアルディオラ監督が率いて3冠を達成し、世界中にその影響を与えた頃のバルセロナを彷彿とさせる。

 なぜリバプールは、突如マンチェスター・ユナイテッドを相手に“バルサ化”したのだろうか。

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