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三笘薫がみせた成長。脅威となったドリブル以外の選択肢、定位置確保までの道はそう遠くない【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 阿部勝教 photo by Getty Images

この試合で見えた三笘の成長とは…



 その成長が垣間見せた点というのが、状況判断の良さと視野の広さだ。

 前述した71分の場面、スムーズなファーストタッチで相手DFの前に出たため、体を入れれば抜けたようにも見えたが、その先にはCBが待ち構えていた。そのため、無理やりドリブルを続けて入れば、ボールを奪われ、カウンターを食らいかねなかった。

 また、78分のシーンでは、相手DFの背後に動き出したグロスを見逃さずにクロスを配球。

 攻撃だけでなく、守備の場面ではむやみに飛び込まず、相手の動きを見てから体を入れてボールを奪うなど、落ち着いた状況判断で的確に対処できていた。

 三笘の最大の武器と言えば、周知のとおりドリブルだ。だが、この試合でドリブルを試みたのは1回のみ。落ち着いた状況判断と視野の広さを活かしたチャンスメイクと、得意のドリブルでプレーに緩急を持たせることが出来れば、三笘は相手にとってより脅威的な存在となり得る。

 この試合で評価が上がったことは間違いないだろう。あとは結果を残すのみだが、果たして初ゴールはいつになるか。今後数試合で結果を残すことが出来れば、定位置確保もそう遠くはないだろう。

(文:阿部勝教)

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