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C・ロナウドはかなり酷かった。マンU指揮官が考える不調の原因は? 「世界最高の選手」の今【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

不調を象徴するデータとは?



 データサイト『Sofa Score』でロナウドのデータを見ると、その低調なパフォーマンスがより具体的に伝わってくる。まずは先述したボールロストの数を表す「Possession lost」から見ていくと、この試合でチーム2位タイの13回もボールを失っている。

 1番多く失ったクリスティアン・エリクセンと同じく2位のブルーノ・フェルナンデスは、危険なエリアにスルーパスを通そうとするなど、「ボールを失うリスクをかけた上でチャンスを演出しようとしたが、結果的にそれが成功しなかった」積み重ねがこのボールロストの数に表れているが、ロナウドの場合はノーリスクで、不用意にボールを失っていただけだった。

 また「デュエル」の局面ではほとんど勝てず、地上戦は4戦1勝、空中戦は1戦0勝と対人戦で相手を圧倒することができなかった。枠内シュートも1本に終り、エリア内でPKを誘おうと倒れるもこの試合でも笛を吹いてもらえず、PKを決めた以外での場面での存在感は皆無だった。

 エリック・テン・ハグ監督はこの低調なパフォーマンスに対して「コンディションさえ上がれば得点を量産できるだろう」と、不調の原因はコンディション不良であることを示唆していた。そういった意味では、来週から始まるインターナショナルマッチウィークはロナウドにとってコンディションを戻す絶好の機会になるかもしれない。

 ラッシュフォードは筋肉、マルシャルはアキレス腱の負傷で離脱するなど最前線の選手に負傷者が続出していることもあり、ユナイテッドとしては何としても調子を取り戻して欲しいと願っているところだろう。逆にこの機会に結果を残すことができなければ、「世界最高の選手」であっても先発出場の機会は減っていく一方だ。ロナウドにとって、自分自身の価値を証明しなければいけない重要な局面が訪れている。(文:安洋一郎)

【了】

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