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ピケの最後とバルセロナの美学。弱点を知られ尽くしたシャビ・バルサの未来【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

ラストマッチに花を添えるバルセロナ



 一方のピッチ上では、試合は2-0でバルサの完勝。もちろん13位のチームが相手で力関係に歴然とした差はあったが、作られた決定機は28分にフレンキー・デ・ヨングの横パスをかっさらわれてカウンターを喰らい、GKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンとの1対1に持ち込まれた程度で、試合のほとんどはバルサがアルメニアの陣地でプレーして圧倒した。

 前半こそ5バック気味で引くアルメニアを崩せなかったものの、左右に何度も振ってサイドアタックを仕掛け続けたことは、ガードを固める敵にボディブローを打ち込み続けたかのように効果的だったようだ。48分、ウスマンヌ・デンベレのカットインに対して、足が止まったアルメニアのDF2人は全く食らい付くことができず、フランス代表ウインガーは悠々と先制ゴールを決めた。

 そして68分には、ジョルディ・アルバのアーリークロスに、アンス・ファティが飛び込んで放ったシュートがGKに弾かれたところを、フレンキーが詰めて2点目―。アルメニアの選手たちに、この2点差を跳ね返す力はなかった。こうしてバルサの選手たちは2-0での勝利という最高の結果で、歴戦のCBの最後の試合を飾った。

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