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ピケの最後とバルセロナの美学。弱点を知られ尽くしたシャビ・バルサの未来【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

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ラ・リーガ第13節、バルセロナ対アルメリアが現地時間5日に行われ、2-0でバルセロナが勝利した。3日に現役引退を発表したジェラール・ピケにとってはこれがラストマッチ。クラブを愛した男のラストマッチで、バルセロナは彼が輝いたクラブのアイデンティティを貫いた。(文:本田千尋)

万雷の拍手でピケを迎えたカンプ・ノウ


【写真:Getty Images】

 “バルサのサッカー”で華を添えた。

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 現地時間11月5日に行われたリーガ・エスパニョーラ第13節。FCバルセロナはUDアルメリアをホームに迎えた。カンプ・ノウは相も変わらず満員。もっとも、詰めかけた観衆のお目当ては、目先の勝利だけでなく、1人の男の最後の勇姿だったに違いない。

 この試合に先立って現役引退を発表したジェラール・ピケが先発。バルサの黄金期を支えたCBは、リーガ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグ、さらにはクラブワールドカップなど、あらゆるタイトルの獲得に貢献。スペイン代表では2度のユーロ(欧州選手権)制覇、南アフリカ開催のワールドカップ優勝の立役者となった。1人のサッカー選手として、これ以上ない栄光のキャリアを送ったのは間違いない。

 このように栄華を極めたCBは、キャプテンマークを巻いてカンプ・ノウでの最後のピッチに立つと、後方からチームを引き締めて往年の姿を見せ、85分にアンドレアス・クリステンセンと交代。腕章を外しながら、仲間たちの1人ひとりと抱擁を交わすピケには、およそ9万の観衆がスタンディングオベーション。歴戦のCBに万雷の拍手を送った。この圧巻の光景が、クレにとってピケがどれだけ偉大な存在であったかを物語っていた。

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