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【モロッコ代表 カタールW杯無料選手名鑑】基本フォーメーション&招集メンバー全選手紹介

シリーズ:カタールW杯選手名鑑 text by 編集部 photo by Getty Images

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 本大会を3カ月後に控えたタイミングでヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任され、ウィダドACを指揮していたワリド・レグラギ監督が新監督に就任した。本大会前までに招集できるのは1回のみと絶対的に準備期間が足りない中で、どのようにチームを立て直すかが見どころになる。9月に行われたチリ代表、パラグアイ代表との親善試合では4-3-3を採用。選手の配置には多少の誤差はあるが、基本的には前任者と戦術を受け継いでいる。

 監督交代によって好転したポイントは攻撃で、前監督と確執のあったハキム・ツィエクが復帰したことでクオリティが格段に上がっている。ツィエクが授かった相手の急所を見極める能力と左足の技術は群を抜いており、ゴール方向を向いてボールを持てば必ずと言っていいほどにチャンスをつくり上げる。

 開幕直前に行われたジョージア戦では自陣ハーフウェーライン付近から左足を振り抜き、正確にゴールを射抜く超ロングシュートを決めてみせた。そのことからも天才レフティのテクニックが錆びついていないことを証明しており、本大会でも違いを見せてくれることだろう。

 ツィエク不在のときは破壊力をそなえたアタッカーがそろうサイド攻撃が主体で、現体制でも最終ラインから直接サイドのスペースにボールを送り込み、ブファルらウイングの選手を中心にドリブルやコンビネーションを駆使して局面の打開を図る。それにツィエクを経由することで、パターンが増えてクオリティも向上している状態だ。

 守備面では対人能力の高いDFに助けられている状態で、組織的な守備の構築には至っていない。特に、攻から守へのトランジション時にプレッシングの甘さからハキミらサイドバックが上がったスペースを狙われピンチを招く場面が見られる。この弱点も前体制から引き継いでおり、初戦までにどこまで意思疎通ができるかが鍵になるだろう。

 能力の高い選手が名を連ねており、爆発力は32チームの中でも上位に入る。しかし、あまりにも時間がなかったために攻守ともチームとしての連係不足は否めない。それは本大会を戦いながら高めていくことしか、彼らに残された道はない。

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