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「残留争いは腐るほどしてきた」。ドイツ代表とヴィッセル神戸の共通点【酒井高徳に訊く(4)】

シリーズ:酒井高徳に訊く text by 加藤健一 photo by Getty Images

ドイツ代表の狂った歯車を直すのは難しい


【写真:Getty Images】

――酒井選手は実際に歯車がなかなかかみ合わないというチーム状況も経験されていますか?

酒井「残留争いはドイツで腐るほどしてきたので、どういうメンタリティーで望めば最後に結果がついてくるかは自分の中にある。かっこいいサッカーしようとかじゃなく、泥臭くプレーに魂を込められるか。ボールを奪いきるとか、前向きにプレーするとか」

酒井「それでいいんだと思える選択をチームがしようとすることによって、歯車がかみ合う。だからアクティブな選手、ドイツ代表で言えばゴレツカ、神戸で言えば大迫勇也みたいに」

――今季は酒井選手自身もヴィッセル神戸で残留争いを経験されました。そういったことを肌で感じているのではないでしょうか。

酒井「神戸で言えば、監督が変わったり、怪我人が戻ってきたりして、残り10試合くらいで崖っぷちになったところでチームが変わった。それまでも、みんな頑張っていたのは間違いない。でも、きついところで流されてしまったり、戻し方が分からない選手もいた」

酒井「僕らのチームは実績のある選手と経験値のない若い選手がいる。プレスに行きたいんだけど、ビビッて引いちゃう。何が悪いかと言うと、攻守においてプレーの選択肢がすべてネガティブになっている。若い選手も頭ではわかっていたと思うけど、実際にやるのは簡単ではなかったと思う。怖いからバックパスする。俺のせいじゃないという雰囲気が全体的に出ていた」

酒井「ドイツ代表もハフェルツみたいに若い選手は勢いがあっていいかもしれない。けど、意思統一がされていない、ふわっとしていたというのは神戸と共通する部分があったんじゃないかな。神戸の場合、厳しい環境で戦ってきた大迫が帰ってきて、最後のところで歯車がピタッと合った」

【了】

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