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カタールW杯アジアベストイレブン! サッカー日本代表からは誰が? 最高の舞台で輝いた11人

シリーズ:カタールW杯ベストイレブン text by 編集部 photo by Getty Images

DF


【写真:Getty Images】


DF:ラミン・レザイアン(イラン代表/セパハン)
生年月日:1990年3月21日
今大会成績:2試合1得点0アシスト

 イラン代表DFラミン・レザイアンはわずか2試合の出場だったが、攻守にわたって抜群の存在感を発揮している。

 イラン代表のカルロス・ケイロス監督がイングランド代表との初戦に向けてメンバーを落としたことで、同試合の出場はなかったが、ウェールズ代表との第2戦でスタメンに復帰。この試合で攻守に奮闘すると、90+11分に攻撃参加からチップキックの技ありゴールを決めて、チームにダメ押しの2点目をもたらした。

 続くアメリカ代表との第3戦でも先発に名を連ねると、両チーム合わせて最多タイの2本のラストパスを記録。相手の背後を狙うロングボールの精度も高く、多くのチャンスを演出している。守備では失点シーンこそマークしていたクリスティアン・プリシッチに前へと入られたが、右サイドでの1対1の場面では何度もタックルで止めるなど奮闘した。

DF:板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ/日本代表)
生年月日:1997年1月27日
今大会成績:3試合0得点1アシスト

 板倉滉は今大会の日本代表で最も安定していたDFと言えるのではないだろうか。クロアチア代表との決勝トーナメント1回戦では出場停止のためベンチ入りをすることができなかったが、グループステージ3試合での活躍は素晴らしかった。

 4バックと3バックのどちらにも柔軟に対応し、予測能力と出足の早さを生かしたインターセプトで相手の好機を摘み、そこからの配球で攻撃の起点となった。そして判断を誤らない堅実な守備対応も光っており、今大会を通じてミスらしいミスは見受けられなかった。

 大金星となったドイツ代表戦では、浅野拓磨が決勝ゴールを決めたが、そのゴールに繋がるロングフィードを出したのが板倉である。相手守備陣の背後を突く正確なロングフィードで日本代表に勝利をもたらしており、攻撃面でもクオリティを発揮した。

DF:ハリー・サウター(ストーク/オーストラリア代表)
生年月日:1998年10月22日
今大会成績:4試合0得点0アシスト

 オーストラリア代表DFのハリー・サウターは、今大会に出場したアジア人選手で最も評価を高めた選手だ。

 198cmという大型DFの中でも巨漢の部類に入るサウターは空中戦の強さはもちろん、機動力があるCBで、スピードと対人戦に非常に優れている。グループステージでオーストラリア代表はチュニジア代表とデンマーク代表相手に無失点勝利を収めているが、サウターはいずれの試合でも全ての地上戦に勝利。相方のキー・ロールズと共に堅守を築いた。

 特に素晴らしかったのが先述したチュニジア代表との一戦だ。試合終了間際にオーストラリア代表は、ロールズがハーフライン付近でクリアを誤りそのまま転倒。ボールをかっさらったチュニジア代表FWタハ・ ヤシン・ケニシはゴールまで一直線にドリブルしたが、これに対してサウターが右CBの離れた位置から猛烈なスプリント能力で戻り、決死のスライディングタックルでシュートすら打たせない完璧な守備をみせた。DFがみせた今大会のベストプレーの一つだろう。

DF:キム・ジンス(全北現代/韓国代表)
生年月日:1992年6月13日
今大会成績:4試合0得点1アシスト

 韓国代表は決勝トーナメントに進出したものの、その試合内容は今大会を通じて優れたパフォーマンスを見せられたとは言い難い。多くの選手が不安定なパフォーマンスに終始した中で、左SBのキム・ジンスは4試合全てで高いクオリティを発揮した。

 特に守備面での貢献度は素晴らしい。ウルグアイ代表との初戦ではファクンド・ペリストリを完封。6度の機会があった地上戦を全て勝利した。ブラジル代表との決勝トーナメント1回戦で韓国代表は1-4の大敗を喫しているが、その中でもキム・ジンスは地上戦を4戦全勝している。地上戦勝利率は今大会を通じて84.21%という驚異的なスタッツを残した。

 2-3で惜敗したガーナ代表との第2戦では、タッチライン際からFWチョ・ギュソンへふわりとしたクロスを上げて豪快なヘディングシュートをアシストした。この試合以外でも正確なクロスからチャンスを演出したキム・ジンスは5本のラストパスを出しており、これはアジア人DFでは最多のスタッツだ。彼がいかに攻守で存在感抜群だったのかがわかるだろう。

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