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フランス代表は“新時代”へ。進化したエムバペが核、今後の強化ポイントとは?【W杯コラム後編】

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

エムバペ核の新世代へ主力交代?



「バトンを渡すときがきた」

 という言葉を、決勝戦後に主将のウーゴ・ロリスも口にしたが、この大会は、14年大会からともに戦ってきたGKロリス、ラファエル・ヴァラン、オリビエ・ジルー、そしてこの大会でも司令塔としてチームを引っ張ったグリーズマンから、エムバペを核にした新世代へ、主力が交代するテイクオーバーの儀式となった。

 彼らがすぐに引退するわけではないが、次のメジャー大会である2024年のユーロ(欧州選手権)に向けて、ここから中心となるのは、98年生まれのエムバペを筆頭に、同い年のジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ランダル・コロ・ムアニや、99年生まれのイブラヒマ・コナテ、2000年生まれのオーレリアン・チュアメニたちだ。

 そして奇しくもフランスへ帰る飛行機の中で、選手たちはカリム・ベンゼマがSNSに投稿したメッセージで、彼が代表引退を表明したことを知ったのだった。

 大会を終えたいま、持ち上がっているのは、12月いっぱいで契約が切れるデシャン監督が続投するか否かだ。サッカー連盟が課した最低目標の「ベスト4」はクリアしている。彼が退いた場合の後任として、前々から噂に上がっているのはジネディーヌ・ジダンだが、ノエル・ル・グラエ会長は「ディディエ・デシャンのような指揮官がいるという幸運があるのに、隣のドアをノックすることはない」と噂を否定し「ディディエが残ってくれることを望んでいる」と明言している。

 続投する場合は、次の26年のワールドカップまでの契約になるのでは、という噂もあり、今後しばらくは、この件が話題の中心になりそうだ。

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