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ランパード監督就任のリスク。チェルシー愛は消耗品か?便利屋扱いする監督人事へ不信感【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

ランパードの何が問題だったのか


【写真:Getty Images】



 ではランパードの問題は何だったのか。米メディア『ジ・アスレチック』によると、戦術的な指示が少ない、補強に関して経営層と揉めたなど、いくつかの問題があったようだ。しかし選手としてのキャリアを考えれば奇妙なことなのだが、マンマネジメントの部分も問題だったという。一部のお気に入りを除けば、ほとんどの選手とコミュニケーションを取らないスタイルで、主力ではない選手に至っては数ヶ月も口を効かない選手もいたという。

 失意のおよそ1年後、ランパードはマージーサイドで新たなチャンスを得た。成績不振に陥っていたエバートンの新監督に2022年1月に就任。1年目は残留に導いたが、2年目になると再び躓いた。結局、23年1月にはエバートンの監督に解任となった。

 この解任に関して、ランパードには同情の余地がある。エバートンは補強こそできたが、財政難の上に補強の要職が不在だった。結果、一貫性のある補強ができておらず、加えて主力選手の怪我にも悩まされた。

 しかし結局のところ、エバートンでも戦術的な創意工夫をピッチ上で発揮することはなかった。加えてマネジメント面が今回も問題となっており、試合に出ていない選手に対して、スタメンから外れることを明確に説明する場を準備していなかったようだ。

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