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ランパード監督就任のリスク。チェルシー愛は消耗品か?便利屋扱いする監督人事へ不信感【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

ランパード招聘に残る懸念



 このイングランド人監督の名誉のために補足をすると、ランパードは仕事を何もしない怠惰な人間だったわけではない。解決策を見つけるために奔走し、誰よりも長くチームのために働いていたという。また2回連続で苦しいチーム状況を任されている言い訳もある。

 しかし確かなこともある。ランパードは選手時代こそ英雄だったが、監督としては実績が少なくまだ若手の部類だ。普通の状態のクラブならともかく、プレミアリーグの、しかも苦しいチームを救う英雄監督ではないことは、現段階では明らかだろう。

 加えて現在のチェルシーのトップチームは31人と肥大化しており、ロッカールームには全員分の席がない。ミーティング時には床に座り、廊下で着替える選手もいるという。明らかにサブの選手のマネジメントが難しい状況だ。

 しかも前回政権時に、自信を喪失させてしまったケパ・アリサバラガが現在は守護神をつとめており、彼らの関係性にもやや懸念が残る。

 そんな状況にいくらクラブの伝説とはいえ、2回続けて控え選手のマネジメントで問題を起こしているランパードを暫定監督として連れてきていいのだろうか。しかもジャーナリストのファブリィツィオ・ロマーノ氏によると、クラブは夏以降にランパード以外の監督と契約するために、ユリアン・ナーゲルスマンをはじめ複数の監督との話し合いを進めているようだ。

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