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何度目の過ちか…。久保建英らの奮闘は台無し。ソシエダが直面する問題とは【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

勝ち点2を失った原因は?



 イマノル・アルグアシル監督は、62分にバレネチェアとキーラン・ティアニーを、72分にはオヤルサバルと久保をベンチに下げ、モハメド=アリ・ショーやウマル・サディク、アルバロ・オドリオソラらを投入した。フレッシュな選手を入れることで、強度を保つ狙いがあっただろう。

 しかし、交代選手のパフォーマンスレベルがことごとく低い。とくに前線に入ったメンバーはボールが収まらない、効果的なプレスをかけられないなど散々。サディクのボールロスト数は久保よりも多い8回。アリ・ショーは同4回となっていた(データサイト『Sofa Score』を参照)。また、久保とオヤルサバルが下がって以降、シュート数は0本となっている。

 こうなると、防戦一方となる。ただでさえ守備力に自信があるとは言えない中で、インテル相手にただただ耐え凌ぐのは無理があった。87分、アリ・ショーが競り負けてクリアボールを繋がれ、ダヴィデ・フラッテージにシュートを放たれる。これはミートしなかったが、流れたボールをL・マルティネスに押し込まれたことで同点に追いつかれた。

 アルグアシル監督のベンチワークを理解できないわけではない。この日のソシエダは立ち上がりからかなり飛ばしていて、先発のメンバーは後半、明らかに疲れていた。今後もハードなスケジュールが続くことを考えても、いなくなられては困る久保らをベンチに下げるのは当然の判断だ。

 サディクら途中出場の選手は、大いに反省する必要がある。選手交代を行ったあとに失点して勝ち点2を逃すケースは今回が初めてではなく、すでに今季も何度か見られている。同じ過ちを繰り返してしまうのは最悪だ。

 主力と控えの差、つまり選手層の薄さ。このままでは戦い抜けない。ソシエダはCL開幕戦でいきなり厳しい現実を突きつけられたと言えるかもしれない。

(文:小澤祐作)

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