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海外サッカー 7か月前

遠藤航の1つの“成長“と2つの”課題“。リバプールで担うスイッチの役割【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

味方からの信頼を失いかねない2つのプレー



 ポジショニングに改善が見られた一方で、いくつか細かいミスが気になった。

 1つ目が5分のシーンだ。相手選手4人に囲まれた状況でトレント・アレクサンダー=アーノルドへ自らにパスを出すように要求。しかし、数的不利の状況に焦ってしまったのか無理にハーヴェイ・エリオットへダイレクトで繋ぐことを選択し、結果的にパスミスとなってしまった。

 2つ目が前半終了間際の守備時でのコーナーキックでのシーンだ。GKのアリソンから「エンドウ!エンドウ!エンドウ!」と大声で怒鳴られ、ジェスチャーを交えながら喝を入れられていた。

 この場面でニアゾーンをケアしていた遠藤だったが、その背後から相手の24番に前へと出られてショートコーナーかチャンスを作られてしまった。自身の前に出られた直後にしっかりと寄せることができていれば問題にはなっていなかっただろうが、コーチングを受けながらも2テンポほど遅れてからの対応となったため、アリソンに怒られてしまった。

 「味方選手にパスを要求した直後のミスでのロスト」、「セットプレー守備時にコーチングを受けていた状態での後手を踏んだ対応」と、いずれも「チームメイトからの信頼」という点では大きなマイナスとなるプレーだった。

 指揮官からの信頼はもちろん、味方選手からの信頼を勝ち取るためのプレーを続けていかなければ、リバプールのスタメンに定着することは難しいだろう。こうした細かいミスを減らしていくことが、目先の課題となりそうだ。

(文:安洋一郎)

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