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なぜ遠藤航は起用されなかったのか? リバプールが優先した「強さ」と「素早さ」【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

クロップ監督が望んでいた勝ち方



 後半の80分までリバプールは2-1でリードをしていたことからも守備的MFの遠藤を「守備固め」として起用するプランもあったはずだ。それでもクロップ監督は日本代表MFを起用しなかった。

 というのも、指揮官はあくまでも“守り勝つ”のではなく、“攻め勝つ”ことを望んでいた。

 試合後の記者会見で「後半3-1のスコアにするために得点すべきだったのは明らかで、本当にいいチャンスが1つか2つあった。3点目を決めていれば、間違いなく勝利に値したと思う」と語ったように、54分のライアン・フラーフェンベルフの決定機など、追加点を奪う勝ち越しのチャンスは十分にあった。

 攻め勝つことを望む中で、より攻撃での貢献度が高いドミニク・ソボスライやアレクシス・マック・アリスターを下げるプランは指揮官の中でなかったのだろう。先発出場したエリオットも後半開始と同時にフラーフェンベルフと交代しているため、遠藤が出場するポジションはなかった。

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