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アーセナルの「リスクある決断」がマンC撃破の背景に。勝利へ導いたサブ組の躍動【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

ゴールへつながった勇気ある決断



  決勝ゴールが決まる直前の冨安が通常であれば有り得ない位置に立っていたのも、ライスと同様に、ミドルサードのより高い位置でボールを回収することをタスクとして与えられていたからだと考えられる。シティMFフィル・フォーデンにとってボックス内への冨安の飛び出しは「想定しようがない」動きであり、反応が1テンポで遅れた。その隙を逃さずパーティがロングボールを送り込み、ゴールが生まれる。高い位置でボールを奪ってゴールを決めるという本来の作戦ではなかったものの、リスクを冒しながらもゴールを狙い続けたアルテタ監督の“勇気ある決断”がゴールへと昇華された瞬間だ。

 「これが自信になる。僕たちは自分たちのポテンシャルを知っているし、彼ら(シティ)がどれだけタフな対戦相手なのかも知っている。今日、僕たちはそんな彼らに勝てたんだ」(『Sky Sports』)

マルティネッリがこう話したように、この勝利は間違いなく選手たちに大きな自信を与えるだろう。しかしそれだけでなく、勇気を持った采配で勝利を手繰り寄せたアルテタ監督にとっても大きな自信となったはずだ。昨季シーズンダブルを許した相手にコミュニティーシールドを含めて2連勝。監督を含め最後までチーム全員がゴールを貪欲に求める姿勢と、それにしっかりとついてくる試合結果。ヤング・ガナーズは試合を重ねるたびに確実に成長している。

(文:竹内快)

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