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久保建英 6か月前

FWのエゴと久保建英の違和感。目に余るプレーでレアル・ソシエダが失うものとは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英は残念な結果に


【写真:Getty Images】



 日本代表活動を終えスペインに戻ってきた久保建英は、いきなりスタメン起用されている。3トップの中では最長となる84分間プレーし奮闘した。

 いつも通り右ウィングに入った久保は激しい寄せに遭ってもボールを失わず、ゴール前ではアイデア溢れるプレーも披露。シュート数は両チーム最多となる4本を数えており、存在感があった。

 とくに素晴らしかったのが守備の強度だ。4-4-2の2トップの一角として相手左センターバックのS・ラモスに猛烈なプレッシャーをかけている。久保の献身的な働きはセビージャにダメージを与えており、S・ラモスは何度もGKマルコ・ドミトロビッチにバックパスせざるを得なかった。終盤には久保が鋭いプレスでS・ラモスのミスを誘発し、決定機に繋げるシーンがあった。

 しかし、久保の総括としては残念な結果と言わざるを得ない。その理由はシンプルにゴールがなかったからだ。

 ソシエダはビルドアップ時にサイドバックが低い位置で張るため、直線関係になる両WGに良い形でボールが入る機会が少ない。とくに、今やソシエダの核となった久保は警戒されている分、よりその現象が顕著になっていて、ここ最近はゴール前で仕事を果たす機会が減少している。

 ただセビージャ戦に関してはそれを言い訳にはできない。76分、そして83分とビッグチャンスが2度訪れていた。いずれもゴールに近い場所、それも相手のマークがない中でシュートを打てていただけに、どちらかは確実に決めなければならなかった。今の久保なら、なおさらだ。

 一方で久保に同情する部分がないわけではない。もっとチャンスがあっても良かった。

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